第14話 離別

両親が自己破産を覚悟したようだ。

家を出ると言い始めた。

反対はしない。

僕の両親は近所の目が気になるから出ていくだけ…。

他人のことなど、まったく考えていない。

両親は、そういう人間だ。

何よりも自分が大切なのだ。


そして僕は…。

相変わらずのリセット癖が治らない。

彼女のことも…両親も…全てをリセットしようとしている。


僕に大事なものなど無いのかもしれない。

失って困るものなど無いのかもしれない。


ツマラナイ物しか持っていないのか…どうでもいい者しか周りにいないのか…。

両親と縁が切れることでなど…。

心が動かない…僕にとって些末なことなのだろう…。


それでも…彼女を失うのは…なぜ…寂しいと感じるのだろう…。


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