第12話 変化

歳を取ると変化を嫌う…。

仕方のないことだと思う。

変えられない…付いていけない…いつか僕にも、そういうときは来るのだろう。


あるいは今、もう付いていけないこともあるのだろう。

興味が無いだけで…。


いい加減、自転車屋を辞めない父親。

怒鳴れば、辞めると言うが…アレやコレやと理屈を探して辞めようとしない。

ソレにしがみ付いて多額の借金を作ったことを自覚できていない。

自己破産しか残されていないという現実を受け入れられないのだ。


毎日…毎日…辞めない理由を探す…。

それを黙って見ているだけの母…父の保証人なのだから、同時に破産するのだが…。

心のどこかで、なんとかなると思っている。


僕は、もう助ける気はない。

今までも、金を出してきたが…もう限界なのだ。


僕の人生は、この阿呆な両親のせいで子供の頃から惨めなものであった。

殺したい…毎日そう思う。


変化を恐れる…だから殺せないのだろうか…。

自身が『死』を受け入れた時…僕は…彼らを殺すだろうか…。

『罰』という変化を僕は嫌っている。

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