Ending2: いつもと同じ筈のオフィス

 UGN本部、アッシュ・レドリックのオフィス。彼の背後の窓には今日も曇った空が映っている。

 そして部屋の主は、とても複雑な顔で目の前の二人の子供を見据えていた。



アッシュ(GM):「それで……Mr.リンドウ。ソレは何かね?」


フランコイズ:「私は、“命短し恋せよ乙女マスターライラック”フランコイズ。……元FHマスターエージェントよ。王子に一目惚れして、ここまでついてきたの」


竜胆:従妹ですと言いかけたのを飲み込む。


アッシュ(GM):「…………なるほど。確かに私は敵の戦力を削ぐという話をした訳だが……よっぽど上手くやったようだな、王子」


竜胆:「あの、自分は一般家庭の出ですが……?」と首を傾げる。


フランコイズ:「単刀直入に訊くわ。私はどうなる? 私としては、王子と同じあなたの直属の部隊に戦力として配置してくれると嬉しいんだけど」


アッシュ(GM):「要求は始めに大きく出ておく、交渉の基本だな。だから言っておこう、私の部下であるリンドウ君とFHの裏切り者であるキミとは絶対に同じ所に配置などしない」


フランコイズ:「あら、残念。でもその言い方だと何処かには配置するつもりのようね?」


アッシュ(GM):「所詮は裏切り者。或いはスパイの可能性さえあるんだからな。寝返られても被害は少ない所で使い潰してやるから覚悟しておけ」


フランコイズ:「構わないわ。UGNに居場所をもらえるならそれで十分よ」



 フランコイズが予想以上に有情なアッシュの対応に内心驚いている一方で、竜胆は気が気でないと言った様子でそれを眺めている。



アッシュ(GM):「さて、リンドウ君。今回のミッション御疲れ様だった。帰って休息を取りたまえ。また明日から激務が待ってるのだからな」


竜胆:「はい。あの、ヘカトンケイル……ではなく、長野は?」


アッシュ(GM):「あぁ、ナガノなら一応一命は取り止めたそうだな。まぁ意識が戻っても“ヘカトンケイル”についての尋問が待つだけだが」


竜胆:「……そうですか」とそっと息をつく。

「では、自分はこれで。……失礼します」


フランコイズ:「失礼します。」一緒に退室するわ。

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