それでも、君は僕を選ぶのか

ホウボウ

プロローグ:それでも君は僕を選びますか?

「それでも君は僕が好きでいられますか?」


 僕は彼女に告げた言葉が現実的ではないと分かっていた。


 それでも言うしかなかったのだ。


「嘘、なんでしょ?…… 嘘って言ってよ。」


「嘘であって欲しいと僕も思う。でもこういう時に嘘がつけるような人間じゃないということぐらい君には分かるでしょ?」


「でも、でも!」

 続く言葉を紡げずに泣き崩れる彼女。

 でも、僕にはどうすることもできない。


 無力さを噛み締めながら言葉を続ける。


「だから君と一緒にいることはできない。ごめん。」


 そう言い残し、泣き崩れる彼女を背に、全てから逃げ出した――

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