第4話 ラノベの展望と質疑応答

 ここでは、ラノベの展望と質疑応答についてまとめます。


【ラノベの展望】

・web小説がいくら盛んでも膨大な数の小説があり、読者の好みにあった作品をwebで見つけるのは難しい。書店ならpopや陳列を工夫しているので探しやすい。目的の本があって書店へ行った場合、自分が買う予定の本以外の本も陳列してある。魅力的だったら購入する場合がある。(ここで例を挙げてファンタジア文庫の作品なら全て買っている読者がいる話をしました。レーベルに安心感があるからだと分析)


・紙の書籍の売り上げが減っているとはいえ、まだまだ紙の本がなくなるとは思っていない。電子書籍は欲しい本を選ぶだけ。紙の本は買う段階で広がりがある。


・本を購入しているのは二十代後半から三十代が多い。最近は高校生を主人公にしないで、大人を主人公にしたラノベも増えてきた。それは四六判(単行本)で発売している。しかし、ラノベはやはり未成年を登場人物にした作品を売ろうとしている。


・ライトノベルは若い男性が主人公の話。女性が主人公だとだめ。(質疑応答でライトノベルは男性向けの小説という発言がありました。女性が主人公なのはファンタジア文庫では原則出さないそうです)


・ファンタジア文庫は異世界ファンタジー要素が強い作品とラブコメを主に出版している。


・今のラブコメの流行は片思いではなく、最初から両思いでカップルを中心としたイベントがいろいろある作品。もし、高校生男子主人公で可愛い彼女が既にいるのに彼女以外の女性からも思いを寄せられていたりして悶々とした日々を送る等独自性が高い物語が描けているのなら、ファンタジア文庫で出したいので、ファンタジア文庫大賞に応募してきて欲しい。


・重版をするかどうかは、最初の1~2週間で判断する。刷った本の五割くらいは売れないと重版はない。じわじわと売れる本もあるが、最初にどれくらい本を売るかが大事。その為に出版社はpopを作ったり書店でコーナーを作ってもらったりする。


・ラノベはメディアミックスをやりやすい。だが何冊売ったらアニメ化するとか漫画化するというような数字というものは特にない。映像に向いている内容なのかどうか等を判断してメディアミックス展開をする。メディアミックスすることによって新たな読者を取り込んで、本の売り上げが見込める。


【質疑応答】※記憶に残っている3つだけ書きます。

Q カクヨムweb小説大賞と拾い上げと特別賞の扱いが違いすぎるのは何故。

  また拾い上げの作品は宣伝して売るのに特別賞は何もなかったので、大量に特別賞を出しても本を出したというだけになるのではないか。実際、第2回webコンテストで一旦応募したものの、応募を取り下げたランキング上位の作品があった。

A 大賞はその小説をレーベルが強く推したいから宣伝をして売る。

  特別賞を同じように宣伝したら、大賞の意味が薄れる。全く宣伝しないわけではないが、差をつけるのは当然。

  拾い上げはその小説を売りたいと思って拾い上げをするから宣伝がある。拾い上げを選ぶか賞を取って出版することを選ぶかは作者の自己判断にまかせている。


Q カクヨムに応募した作品をパクられた。それだけでも腹立たしいのに自分の作品より多くの人に読まれていて評価も沢山入っている。クラスタというグループに所属している人だから読まれているようだ。最初にアイデアを出した作者を保護して欲しい。

A 似たアイデアが出ることはある。web小説という誰でも読める場所で発表したからそういうことになったのではないか。アイデアの一部を改変して発表されるのがいやならば、公募に出してみたらどうか。守秘義務があるから公募に出したら盗用されることはないのではないか。(この返答に参加者が少しざわつきました)


Q 家族に小説を書いていることを知られています。エログロだけは絶対に書くなと親に言われているのですが、そういう枷があってもライトノベル作家になれますか。

A 全てのライトノベルにエログロがあるわけではない。独自性を出して書いて欲しい。


【私の個人的な感想】

 ……自分が書きたいレーベルを意識して、そのレーベルの賞に応募するのが確かにデビューの近道かもしれません。

 しかし、カクヨムの事について質問していてもファンタジア文庫についての返答しかされなかったので、質問をすりかえられている気がしました。

 特に最近は公募に応募した作品のアイデアをお抱えの作家に流用させたというレーベルの噂もあるので、むしろwebで最初に出したほうが盗作問題があった場合に対応できるのではないかと言われています。

 どちらを選ぶかは作者自身なのですが。


 また、カクヨムweb小説コンテストの特別賞に選ばれても、売るための宣伝をしないというのであれば、特別賞を取った後に辞退して、他の公募に回したほうがいいと判断する方も出てくるかもしれません。

 カクヨムweb小説コンテストに応募するメリットってなんなのか……とてももやもやした気分になりました。



 次は交流会についてまとめます。

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