堅物男、王都を逃走す。若王殿下の命令はただ一言──「捕まえよ」

アルノルド・サガフィは生来、きまじめで頑固な男である。
曲がったことが嫌い、というより、そもそも目に入らない。
そんな彼がちゃちな窃盗事件に関与するはずもないのだ。
彼とその友人たちは嫌疑を晴らすため、王都を奔走する。

短編ではあるものの、世界観がしっかりと作り込まれ、
産業革命を経た近代欧州風の国情が浮き彫りにされて、
その「短さ」を惜しみつつも「不足」とは感じなかった。
アルノルドは無論のこと、ロニーのキャラクターが最高。

スリルあり、謎解きあり、お忍びの若王殿下あり。
硬派な短編ファンタジーを読みたい人に、ぜひ。

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