第50話 紙書籍で本が出せない

タイトルまんまなんですが、知り合いの作家さんがこれで悩んでる。


一時期有料サイトで公開してる小説で月20万円稼ぐくらいには人気ある作家さん。


電子書籍も20歳から書いてきてもう10年以上経験を積んでいる。


だけど紙書籍の打診がないと最初悩んでいらした。


うーん、端的にいうと、打診なんかないんですよ。あるとしたら本当に運がいいひと。あるいは作品を気に入られたひとくらいで、もし急な打診があれば、もしかしたら他の書籍作家さんの紹介があったとかなわけで。


大抵の作家さんはダメ元で営業してるんですよね。


もしくは真正面から公募とか。


原稿募集かけてるレーベルもあることですし、間口がある限り、そこに投稿したり営業かけたりしてるわけです。


依頼が来る作家さんは他にも種類がいて、もともと書籍出してる作家さんなんかは打診があったりします。


わたしとかは紹介と書籍出してるからの複合型で、乙女系小説の文庫を出すきっかけになりました。


まぁ、手っ取り早く結論を言うと、


待ってても紙書籍の話など来ない


ですね。


どんなぼたもちですか。それは。都合がいいですね。


厳しいこと書きますけど、やっぱり、営業かけたり問い合わせてみたりして他の殆どの作家さんは出版社に連絡を取るものです。


自分から狩猟しないと獲物は得られないんですよ。


営業かけるには書籍出版の経験がないと難しいとも言われています。


これは本当です。


なぜなら書籍の売上でその作家さんの実力実績を見ることができるからですね。


実績なかったら、出版社だって怖くて手を出しません。


書籍出すのだって出版社は最低でも何百万も投資するわけですし、売れなかったら損失丸かぶりです。


だからいろんな出版社から出してる作家さん見たら、営業頑張ったんだなって思ってください。


電子書籍作家さんだから、書籍の話がないとか、下に見られてるとかは決してないんですが、電子書籍の実績ってわかりにくいので、なかなか書籍の話が来ないんですね。


中には100万DLされてとか同人誌が売れまくってとかで、出版社から声がかかるジャンルもありますが、わたしそういう先生二人しか知りません。BLです。


そういう方は砂丘の中の砂金一粒程度の方で、誰でもそうとは限らないわけです。


書籍化しないって嘆くよりも、あとはお金のために書くよりも、まずは営業かけて公募して、なんていう地道で長くてしんどい作業が必要なんですよ。


無料小説投稿サイトで、何百万PVやPTを取得するのだって立派な営業でもあります。自分の作品はこれだけのひとが読むのだとか、出版社にも見返りがあるとかアピールできます。


公募するのだって、書きました、出しました、採用です。とはならないです。


やっぱり研究しないといけない。レーベルカラーとは違うものを出しても採用されるわけがないのです。


どんな傾向のものが売れて、人気があって、このレーベルはこういう方向性のものを支持しているとか。


自分の好きなものを書いたら賞を取りました、依頼が来ました、採用されました、というのは、ごく一部の方ですから、わたしみたいな有象無象の作家は、研究して営業をかけて行くのが、書籍を出すことができる可能性のある方法です。


もし、電子書籍書いている方がいたら、とりあえず、原稿募集しているレーベルの研究をして、作品を送ってみるか、ダメ元で問い合わせてみたりするのがいいかもしれないです。


一回だけでなく、何十回といろいろな出版社に挑戦するしかないです。一回断られたから、自分は才能がないんだと嘆くのは、かなり早急な判断です。根性と粘り強さがあったほうがオトクな世界ですから、チャンスを待っているのではなく、七転び八起きの心持ちで挑戦していくのがいいです。


ただこれが最良の方法ではないです。一つの方法として耳に入れておいてほしいかなと思います。


プロの世界でもこんな葛藤やコンプレックスがあるのですから、一から始められる方はとにかく書いて書いて書きまくって送りまくる方法が一番かもしれないです。


どこにチャンスがうろついてるかわからないですから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る