第32話

 前に、話の書き方みたいなことを書いたと思いますが、もう少し詳しく書きたいと思います。


 ある人は、好きなものを書いてたら賞をとって、小説家になれたと言います。しかし、それはごく稀なことであって、絶対ではありません。好きなものを書いていても賞を取れる人はごく少数です。

 そのことを念頭においてくれればいいです。


 さて、編集者さんから、こういうものを書いてくださいと言われることが多いです。

 たとえば、身代わり。溺愛系の乙女系小説。

 そうなると、お話から考えないといけません。


 身代わりになるシチュエーションをかんがえて、身代わりのシチュエーションにあったキャラクターを考えます。

 ストーリーはあくまで付け足しでしかありません。

 しかし、キャラクターの性格を明るく、とか、話全体を明るく、という要求があれば、キャラクターの性格に合ったシチュエーションも考えなくてはいけません。


 基本一番苦労してしまうのはヒーローです。

 ヒロインはある程度型が決まってます。容姿とか魅力とかは後から考えていきます。


 中には、ヒロインを魅力的に書くことを要求されたりしますが、結局はヒーローにチヤホヤされたいというのが「夢読者」なので、魅力的なヒーローに力を入れたほうがいいと思っています。


 某◯川系列の出版社の編集者さんが言ってました。

「萌です。ヒーローのギャップ萌えが重要です!」


 乙女系小説は女性が読むものなので、キラキラにしないといけません。きゅんの要素も必要です。それをシチュエーションごとに組み込んでいきます。


 そこまでくると、キャラクターの動きが出来てくるので、キャラクター表が作れます。


 私がキャラクターから作るようにといった作法とは真逆になります。


 出来上がったシチュエーションに合うキャラクターを作成することになります。


 某角◯出版社の編集者さんは、

「ヒーローが決まれば、ヒロインが決まります。そこからストーリーが生まれます」

 とおっしゃいました。


 この話を書いたあとだったので、この話の一部は書き直してますが……


 乙女系小説の大半は王道と言われる型式があります。


 その王道からそれなければ大体OKです。


 王道から逸れる話を書いてもいいよと言われるのは稀です。ハッピーエンドが望まれます。

 ある出版社では、ファンタジーやオカルトを嫌うところもありますが、書き手の作家さんの実績によっては許されることがあります。

 もしくはファンタジー(異世界とかいろいろ)をテーマにしたレーベルもあります。

 だけど、大半の出版社レーベルではファンタジーは敬遠されます。売れないからです。


 要するに許される人は特別、売れる、ということです。


 そういうことばかり頭に残ると、嫉妬と羨望で身動き取れなくなるので、考えないようにします。ほんとマジで。


 書いて書いて書きまくって、あなたなら売れるから書いていいですよと言われるくらいになりたいものですね。


 とりあえず、ストーリーの作り方が真逆になる場合の紹介でした。


 ※追記してます。


 ※王道が決まってると王道に沿ったキャラの骨組みができてしまうのでその制約の中でストーリーとキャラを考えるのに慣れれば、わりに他のジャンルが楽に書けるようになると思います。

 逆に自由すぎて書けなくなったという先生もいるようです。

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