11.プロット
今回も、お話を書くときの決まり事についていくつか説明する、と書きましたが、年月が経ちすぎてなにを書くか忘れましたので、プロットについて、設定、世界観について補足したいと思います。
自分はちゃんとかけているし、実際に物語を書いてしまった、という方は、じゃんじゃんたくさん小説を書いてください。この説明は省いても構わないと思います。
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まず、物語には必ず舞台が必要です。もしも、ファンタジーだったら、という話を以前したと思います。
リアリティを少し出すことで、お話に感情移入させることが容易くなることも、皆さんならわかるかと思います。
本当のことはエッセンスです。
嘘を
でも、その嘘を誠に見せるためには下調べが必要です。
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では、どのような下調べが必要なのでしょうか?
わたしが書いた「屍鬼祓師 夢見る卵」には架空の町が出てきます。昔養蚕で栄えた、衰退しつつある製糸産業の町です。
実際に熊本は明治時代まで養蚕が盛んでしたが、人工的な糸が作られるようになってから、養蚕は衰退し、いまはほとんど行われていないと思います。
そういうことを調べた上で、衰退しつつある製糸産業でかつて栄えた町をかきました。
でも、それだけでは足りません。
なにが足りないのでしょう?
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それは、場所です。
熊本に住むひとでも、もしかしたらあるかも知れない、と思わせる、現実感を創り出すことなのです。
わたしは、グーグルマップと、熊本県のバス会社を調べ、できる限りイメージに近い場所までの行程を予想展開した上で、実際の町の近くに架空の町を創りました。
だから、架空の町の隣町は、実は存在しているのです。
熊本に住むひとなら、何行きのバスに乗って、その方向に行くと何町がある、というのは推測できると思います。
それを承知の上で、山を開拓して町を新たに作り上げるくらいの想像力を働かせるのです。
※追記
わたしが書いた、「屍鬼祓師 塩飽島の巫女」の中には、実在する島々をモデルにして架空の名前をつけて、実際にその場所に行って地図や資料で調べた別の島と掛け合わせて作った孤島があります。
こういったことは校閲と言って、本当にそうであるか、調べなければいけません。なので、矛盾が生じないように事実を調べていって、それを物語の嘘に乗せていきます。
すると、まるでこの孤島が存在しているような不思議な感覚に読者は陥るのです。そういう錯覚は読者にとっては物語に入り込むきっかけになりますし、作者にとっては物語を生き生きと書くための下準備になります。
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そうやって、「嘘だけど、なんだか在りそうな町」ができあがります。
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これは、ファンタジーでも同じです。大分のイベントに行ったときにお会いした小説家の先生がおっしゃっていました。
小説の中に出てくるモンスターの鱗の硬さはチタン合金くらいのものだけど、ほんの少し空想を入れるのだ、と。(覚え間違いしてたらすみません)
創作小説は、ドキュメンタリーではありません。本当のことを真っ正直に書く必要はないのです。
60%~80%本当のことを書いて、残りは嘘という魔法をかけるのです。
でもその嘘がまるで本物のように見せるためには、下調べと取材、資料が必要なのです。
だから、全て頭の中だけで作る。
という方は、一度、本当のことを調べて物語に盛り込んでみてください。
もしかすると、物語の印象ががらりと変わるかも知れないですよ。
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以上のことは、わたし個人の見解です。全ての方が上記のようであるべきとは思いません。
そういう書き方もあるんだなぁ、と頭の片隅にでも置いておいてください。
次回は、草稿の説明に入りたいと思います。
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