7.プロット

 今回は、<草稿>を構成する文章、視点について説明しようと思います。


 前回後半、ほとんど視点の話をしたような気もしますが、視点の種類については全く話さなかったと思います。


 唯一話したのは、<神視点>だけでしたね。個人的意見なのでこればかりは数をこなして自分なりに理解を深めていくしかないでしょう。ここも個人なりの意見を書かれています。参考になりますね。

 ※ http://ncode.syosetu.com/n3716ba/11/


 <神視点>について説明するとすれば、<三人称>に分類されるでしょう。ただし、前回説明した、登場する人物の心情を全て文中に書くことが出来るのは、<神視点>だけであり、かなり特殊で難しいものでもあります。特に群像劇において使われる技法だと思います。


 はっきり言うと、<神視点>はご都合の良い視点であると言わざるを得ないのが実情です。


 今回は主に<神視点>以外の視点の話をしていきます。


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 初めて知りましたが、私も使ったりする、「あなた」「君」と問いかけておはなしをすすめるものを二人称と言うんですね。へぇぇぇ。実に勉強不足な私です。


 とにかく、お話を書く際、主に使われるのが、<一人称><三人称>と呼ばれるものです。


 前回例に上げた文章は<三人称>と呼ばれるものです。


 Aは天井を見上げて不思議に思った。Bも同じように視線を上に向けた。AはBへ視線を移し、睨み付けた。Bがその視線に驚いた表情を浮かべた。


 視点が「私」「僕」「あなた」「きみ」などの話し手、聞き手以外にある場合に、三人称と呼ぶとされています。


「道夫は弁当を食べた」は三人称。


 視点が、「わたしは弁当を食べた」「僕は弁当を食べた」にある場合、一人称。


「君は弁当を食べた」「あなたは弁当を食べた」「君が弁当を食べている」「あなたが弁当を食べている」とある場合は二人称。


 しかし、たいてい、一人称や三人称でお話は構成されると思います。


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 さて、一人称や三人称にはお約束があります。


 前回も話しましたが、


 Aは天井を見上げて不思議に思った。Bも同じように不思議に思って視線を上に向けた。AはBへ視線を移し、疑いを感じて睨み付けた。BはAがなぜ睨むのか分からず、その視線に驚いた。


 と言うような、主人公視点になる文章に、脇役視点の文章を使ってはいけません。それは、心情心理を表現するときだけでなく、視点においても同じです。


 Aには見えている、Bの後ろに広がる背景(Bの目が届かない部分)をBが語ってはいけないし、その反対もいけません。Bが後ろを振り返って、その光景を見た場合は、書くこと出来ますし、Aの場合も同じです。


 また、A不在の部屋の様子をA自身が語るのも、NGです。もし、Aがいない場所のことをA自身が台詞ないし描写で表現したら、Aは超能力者になります。


 でも、どうしても主人公のいない場所の描写をしなければいけなくなった場合は、その場所にいる人物に視点を変更して、描写をすることが出来ます。


 その場合は、視点自体が変わってしまうので、段落を変えるか、章立てしてわかりやすくしましょう。


 ただし、段落のまとまりを指す、章の中で頻繁に視点を変えると、読者は混乱してしまいます。


 こういったときは章立てせず、一行~三行の空白を開け、視点や話自体関わったことを読者に示しましょう。


 そのときに「§」や「*」や章内の区分としての番号やそれに準ずるものを空白の部分に置くことで、視点が変わる、もしくは場面が変わる印になります。


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 次回は、段落、章立ての話をします。

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