彼らとずっと旅していたい

小柄で男の子とよく間違えられる、算術や科学が得意な、健気で頑張り屋のウネン。
大柄で無表情で口下手で不愛想な、腕利きの剣士オーリ。
飄々としていて口が上手い、見た目は朗らかな好青年の、切れ者の魔術師モウル。

ウネンに測量技術を教えた医者のヘレーを、オーリが探しに来た所から、物語は始まります。
最初は、味方か敵か分からないオーリやモウルの事を、警戒するウネンでしたが、彼らに何度も命を助けられ、オーリの仏頂面に隠された不器用な優しさや、モウルのひねくれた態度の奥にある誠実さに触れる内に、少しずつ彼らの事を信頼する様になっていきます。
オーリやモウルの方も、最初は、行きがかり上 、仕方なく相手していたウネンが、何事にも一生懸命頑張っている様子を見ている内に、本心からウネンの味方になっていきます。

三人とも辛い過去を抱えているのですが、ヘレーを探して旅をする内に、お互いで支え合い、補い合い、一つずつ問題を克服していく。まさに、最高のコンビです!

キャラクターも魅力的ですが、ストーリーもとても面白いです。
綿密に張られた伏線や、あっと驚く展開は、何度読み返しても良いです。
風景や人々の生活の様子も生き生きとしていて、実際に映像を見ているみたいです。
特に、魔術関係の描写が、神秘的で美しくて大好きです。

いつまでも、彼らと共に、この世界を旅していたいと思いました。