誰でも読むべきとは言わないが、読破したわたしは怒りと哀しみでうち震える

 まずは、エッセイのタイトルが衝撃的だった。
 性的虐待……、その意味をわたしは知っている。それでも、読み進めるのに、身体は震えた。
 父親が、娘にする虐待の中では、もっとも最低なものだと思っている。
 娘の尊厳は、父親によって蹂躙され、拒めば誰かが犠牲になると、脅迫され、恫喝される。
 年端も行かぬ娘が、その行為の本当の意味も理解できずにいるのをいいことに、秘匿する様に唆す。卑劣にも程がある。

 そんな日常の中、この著者さまは、よく耐えきったと思う。がんばってきたと思う。
 こんな経験などない、わたしの言葉は軽いかもしれないけれど……。その分、これから、もっと幸せになってほしいと願ってしまう。

 この、重いテーマのエッセイ、皆さまにも読んでほしいとは思う。
 著者さまのあらすじにもあるように、身近でも起こりうる話。そして、どこかで、声も上げられず、唇を噛んで屈辱に耐えている女の子がいるかもしれない……という話だからだ。

 だからこそ、皆さまの責任と覚悟の上で、読むかどうかは決めてほしい。決して、気持ちのいい話ではないのだから……。
 わたしは、この父親は絶対に許さない……。

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