ツチノコメイン!

渡りビトの遠いなわばり/二階堂イカス

作品名 渡りビトの遠いなわばり

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882973959

作者 二階堂イカスさん

 https://kakuyomu.jp/users/ikas2nd

ジャンル

 ショート。コンテスト参加作品。関連性高。壮大な世界観。綺麗。卓越した描写。


――――――――――――――――

作品紹介。

 かばんちゃんにプレゼントが贈られる前の、満月の夜。

しんぱいになった、ちょっとだけかしこいあのフレンズが、ヒトのためにした調べもの。

続いてくグレートジャーニーは、いったいどこへ辿り着くのか?(概要より引用)


――――――――――――――――

感想&オススメポイント。

 遥かなる旅路。ヒトはどこへ?


 この作品は銀冠さんからご紹介いただきました!

 ありがとうございます!


 さて、今回紹介するお話は、綺麗な物語。

 そのタイトルは『渡りビトの遠いなわばり』です。


 まずこの作品ですが、情景の描写がとても美しく描かれています。


 少しだけ本文から引用いたしますと……


『その夜よはひときわ明るい満月で、地面に影が落ちるほどだった。細かな星々は眩しさに塗り込められ、幾分いくぶん空が淋しい。旅する動物けものには星がたよりの者もあると聞くから、こんな日は旅には不向きなのかもしれないと、ツチノコは待ち伏せがてら空を見上げた。背後では、観覧車が重いうなりで巡っている。こんな時間に、誰か乗っているのだろうか?

 そこへ風が吹いた。匂いが漂ってくる。待ち兼ねた、お人よしの匂いだ。時々一人でこの辺に現れるというのは本当だった。』(本編より引用)


 どうでしょうか。

 私はこの文章のあまりの情景の綺麗さに胸がいっぱいになり、鼻先にジャパリパークの夜の空気さえ感じました。

 しかし、このお話の素晴らしいところは、情景描写だけではありません。

 ツチノコをによって語られた壮大な世界観を通して、ジャパリパークのけもの達の情感、フレンズ達のとても素敵な心が垣間見えるということなのです。


 グレートジャーニー。

 それはヒトが生まれたとされるアフリカ大陸から、何万年もかけて世界中に拡散して行った旅のことだそうです。

 ヒトは何処からジャパリパークへ来たのか。

 ジャパリパークから、ヒトは何処へ行ってしまったのか。


 想いを巡らすツチノコ。思うかばん。

 最後の月と紙飛行機から、私はけものフレンズの世界観がジャパリパークの外側、地球と言う星だけでなく、宇宙にさえ広がって行くのを感じました。


 二人の会話は必見です。


 それにしても、この作品がわずか三千文字と言う短さなのが驚きです。

 是非、この世界観に皆さんも足を踏み入れてください。

 そして、人と言う動物のルーツを感じながら、かばんちゃんの旅の行く末と、彼女の旅に幸運を願いましょう。


――――――――――――――――

登場キャラ

 ツチノコ


 ヘラジカ

 トキ

 アルパカ

 コウテイ(コウテイペンギン)


 博士(アフリカオオコノハズク)

 助手(ワシミミズク)


 かばんちゃん

 サーバルちゃん


――――――――――――――――

度数計測スター


 情景描写度:   ★★★★★

 情感描写度:   ★★★★★

 壮大な物語度:  ★★★★★

 生命のルーツ度: ★★★★★

――――――――――――――――


作品名 渡りビトの遠いなわばり

作品トップページリンク

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882973959

作品1ページ目リンク

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882973959/episodes/1177354054882973966

作者様ページリンク 二階堂イカスさん

 https://kakuyomu.jp/users/ikas2nd



――――――――――――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る