第30話逃げられない

涙を流すツカサの首を絞めているのは僕だった。


「殺さないで、二人で幸せに…。」


ツカサの首から手を離した。


「いや、三人で幸せになろ?」


分からなかった。


悪の巣窟から出たら指名手配犯である。


「何のメリットもないだろ?」


「大丈夫。支援者がいるから。」


ナギサは、無表情で僕らを見送った。


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