第5話「釣りに行こう」

「おい太郎、釣りに行こう」


「姉さんとですか?いいですけど準備は?」


「大丈夫だ。よし、行くぞ」


 姉さんの大丈夫は大丈夫じゃないから、心配してるんだが。


 結局僕はなんの準備もせずに姉さんの魔導バイクに乗せられる。

 姉さんはいきなりエンジン全開にし、後ろの僕は危うく落ちかけた。


「危ないじゃないですか!」


「まぁまぁ掴まってな」


 ーー


「あの、いくら姉さんの魔力が底無しとはいえ、すでに3時間も全速力ですよ?」


「ん?まだ1割も減ってないぞ?」


「化け物ですか」


「?」


 姉さんは当たり前みたいな顔してるが、普通の人は1時間が限界だろう。


「ところでまだ着かないんですか?」


「うん、あと3時間ぐらい」


「帰りましょう」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る