夢の中の旅

次々と場面転換される、不思議な迷路に迷い込んだような物語は読んでいてワクワク出来たし、概ね楽しく読めました。
少し不思議で、悪夢のような、沢山の人生を見ているような、ちょっと怖いお話。




※以下ネタバレあり


個人的な感想なんですが、イメージや設定は面白いんだけど、「私はお姫様なのよ」と言う特徴的なセリフがオチと直接つながらないのが、構成上もったいなかったかなぁ。
どうして夢の中でのこの女性は、いつも自分はお姫様であると認識していたのか。

「童話の眠り姫のように」と言う言葉からの想起だけではちょっと弱いと思いました。
せっかく読んで居る人の意識に残る特徴的な台詞があるんだから、もう少し前後のつながりがあったら、気持ちよかったのになぁと思います。

ちょっと自分の好みの話を書いてしまいましたが、こういう少し怖さもあり場面場面の雰囲気もある作品は好きです。
この作者の他の作品も読んでみようと思える作品でした。