第12話

【ジジイの見本】


さて、まさおはどこがいけなかったのかな?読者のみなさんなら、果たして、どうやって、この“死刑囚が牢獄の窓から見えるダッチワイフぐらいヤりたくなるダッチワイフ”を売ることができるかな?




自分なら、どうするかなあなどと、考えたあとで、ジジイの見本を読んでいただきたい。




それでは、ジジイの見本のはじまりはじまり〜。



「もしもし、こちらエヌチーチーコーポレーションの山田です。お忙しいところ申し訳ございません」

「あー、はい、どのようなことでしょうか?」

「お客様、おめでとうございます」



↑おめでとうと言われて悪い気がする人はいない(^_^)




「えっ?何かあたったの?俺」

「今回ですね、本当に一部の人間にしかお売りできない商品を選ばれた殿方だけに購入の権利を無料で差し上げてるんです」



↑購入の権利を無料で差し上げるというごまかし方をしてるが、買わせるということ(^_^)




「へえ?無料?」




↑カモおつ(^_^)




「はい。購入の権利が無料でして。殿方には是非お持ちいただきたいですね」



↑“殿方”と呼ぶことによって、商品がアダルト向きであることを、拒否反応のないように少しずつ感じさせる(^_^)




「へぇ、それはそれは。どんな商品なの?」

「おエロがしいところ殿方だからこそ、やはりステータスとして持っていてもらいたいのです」





↑“お忙しい”の聞き間違いかな?と思う程度に“おエロがしい”と言うことによって、どんどん商品がアダルトであることを拒否反応なく感じさせる(^_^)




ステータスという言葉も相手の虚栄心をくすぐる(^_^)



「な、なんか、こ、こちょばいです」




↑“殿方”“ステータス”などの言葉が効いてる(^_^)




「殿方殿方殿方〜。こーちょこちょこちょーステータスステータスステータス〜、こーちょこちょこちょー」





↑とどめのラッシュ(^_^)






「わはは!あはは!ま、参った!こちょばい!か、買うよ!買う!買う!死刑囚の牢獄の窓から見えるダッチワイフを買う!買うよ!」




↑なんでまだ言ってないのに知ってるねん(^_^)



でも、交渉成立(^_^)





さて、みなさんは、ジジイのやり方とくらべて、どうだったかな?




コミュニケーションの基本は、ひとりよがりになってはいけないということ。必ず相手の反応を見ながらということを忘れずに(^_^)







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