好感度を上げるには

俺は退屈していた。昨日の夜まで。本来ゲームのバクとは何個も存在しないはず。

なのにバグ以外の何物でもない奴が目の前に居る。人の家のテーブルに足を乗せて。

黄色のメッシュが入った薄紫色の野郎。つまり男。それに少し大きめの淵の付いた眼鏡。こいつが厄介な訳で。


『いやー、この短調な世界で超絶可愛い可愛い李蠹りとちゃんの寝顔を収められると思わなくてさ♪いや、別に僕がロリコンとかそういうのじゃないからね?言うなればフェミニストだって。おお〜!寝癖が可愛いなぁ…。後、別にニートな訳じゃなくて仕事だってしてるし?今は書類整理するだけだし、可愛い可愛い可愛い顔が見れたら最高だなぁとか思ってないから(棒)棒読みだけど気にしないでね?年齢22歳だけど好きな娘のタイプは19歳以外の男女どっちもアリ♪面倒なのはお断りだけどね?✨巫山戯てないお!wあはっ✨楽しいねぇ?可愛いくて愛しくて…それでいてもう可愛い!あのね、別に男でも構わないし愛の力があれば乗り越えられると思うんだけど。どうかな?ね?ね?ね?ね?あ、うんウザイ?ね?キャーー!李蠹君が僕の事気にしてくれてる〜うん、軽く3回は死ねる♪』

※以下省略


『五月蝿せぇ………死ね!で帰って来んな!吐き気がするわ!地獄に堕ちろ!』

『死ねと地獄に堕ちろって同じじゃないかなぁ?李蠹ちゃんの馬鹿な所も可愛いよ?やっぱり僕のお嫁に((蹴』


何故か不審者が部屋の中で口論を繰り返している。蹴りも入ったが。

『アンタら、どちらさんで?』

短調じゃない。コマンドも出ない。声音にも高さがありヒトだと実感する。

問いかけてみると2人が顔を見合わせてニヤッっとした。


『ゲームの中の住人じゃ無いことは分かるよね?流石の馬鹿でもさ?』

眼鏡ロリコン男がそう言った。

『おい、蕗亜ろあ。ホントにコイツ使えんのか?阿保面してるし。』

『しらなぁい♪』

爆笑してる奴。

『何だか、知らないけど不法侵入と住居侵入罪で警察呼ぶからな…』

スマホを片手に電話しようとしたその時。

『そんな事してもゲーム内で刑務所に入れられるって出来事は無いはずだよね?』

『大体気づけ。俺らがお前みたいな平凡で何の取り柄もなさそうで顔もそこまで良くない奴にわざわざ来てやったんだから感謝位しろ』

何が言いたいのか分からない。なんだよ、コイツら…。

『何しに来たんだ?』

俺が無意識に少し眉を寄せたのを合図の様に



『仲間にならないかって?僕らのゲーム攻略の仲間として…ね?』

『は?』



運命の選択1

仲間になりますか?


・はい ・ いいえ ・殺す ・逃げる

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