第4話 丼鉢一杯のポテトサラダを君に。

友人宅で食事をして帰り間際、

「これ作りすぎたから持って帰ってよ〜」

友人の妻の手には丼鉢にパンパンに詰められたマカロニポテトサラダが……まて、タッパーは無いんですか?タッパーには入りきらなかった、だと!?作りすぎたにもほどがあろうに。彼女は過去に水炊きは水のみで食材を炊く料理だと思っていた強者だ。出汁って何?との台詞に冷や汗をかいた覚えがある。あれから数年を経て、彼女はステップアップしているはずである。味はまあ、食べられる料理が今日もでた。しかし何故か、丼鉢にマカロニポテトサラダが詰まったお土産を僕に差し出している。作りすぎにもほどがあるだろう!?それはもう頂いたばかりナンデスガ、ネ。、と丁重に隣の友人に……イナイ。彼女の笑顔に冷や汗が出てきた。


さて、異常、いや以上のエピソードから僕の前には丼鉢に山盛りのマカロニポテトサラダがあるわけです。これから執筆するから夜食にするか。しかしこのままこれを食するのは芸が無い。それに飽きるぞ、この量は。うむ、あれにしよう。

丼からボウルにサラダを移して牛乳で少しのばして塩胡椒、白ワイン少々で味を整える。冷蔵庫にチクワ発見、ベーコンは無いからコレにするか。耐熱皿に先ほどのサラダを入れて、チクワを三等分に切りわけ、さらに半円に切ってサラダの上にのせていく。もうお分かりだろう。ポテトサラダグラタンである。最後にとろけるチーズを乗せてグリルに放り込む事、数分。チーズの香りが漂い始める。チーちく、でわかる通りチーズとチクワの相性は良いのだ。やがて焼き上がったそれは熱々トロトロのチーズに焦げが入っていて、なんとも言えず美味かった。早速、友人にラインで送ると嫁が食べたい、と叫んでるそうだった。一言、自分で作れと、と送ったらそのために僕に差し出したそうだ。渡せば、何かやると読まれているらしい。結局、次回に振舞うことになりそうだ。これ余り物、料理なんだけど。あの人は確信犯でした。


そんなことを書いている今、外は霰混じりの雨でパラパラと屋根が雨に打たれて鳴っている。明日は晴れるだろうか?歩きたいのだけれど。検診まで一週間、体重が落ちる様子は無かった。ソリャ、食べてるからネ。

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