まとわぬ叡智はいい文明 けものフレンズ作品集

コミナトケイ

まとわぬ叡智はいい文明

しんりんちほー(1)

 かばん。あの子がやってきて、我々フレンズの生活はまったく変わってしまったのです。


 かばんはまさしくヒト――叡智をもたらす者なのです。かしこブレーンなのです。

 

 まぁわれわれ博士と助手ほどではありませんが。われわれはかしこいので。


 書を読み解き、火をおこし、料理を作ってみせた手腕。

 あれには諸羽もろは――いえ、われわれはフレンズ化しているのですから、諸手もろてを挙げて評価すべきでしょう。

 


 われわれけものは、ヒトのなした文明の味を知ったのです。


 しかし、かばんのもたらした文明開化とでもいうべき事象は、なにもそれだけに限ったことではなかったのです。かばんはそれよりもっとも大事なことを、多くのフレンズに気付かせてくれたのです。



 なんと……なんと……!



 われわれは皮を脱いでつるつるになることができるのです! 



 わーい! たーのしー! 

 

 ……はっ、サーバルの口癖が移ってしまったのです。



 こほん。

 これはすべてのフレンズにとって、まさしく革命とでも呼ぶべき衝撃でした。

 空と地面がひっくり返るかと思ったのです。かばん、恐るべしなのです。


 今までわれわれをまとっていたものの下には、肌というものがあったなんて。



 ……はっ!? 

 も、もちろんわれわれは知っておりましたよ? われわれはかしこいので。

 ねぇ助手。な、なんで助手まで疑いの目で見るですか!



 こほほん。

 ともあれ、かばんのもたらした驚愕の新事実はジャパリパークじゅうを駆け抜けたのです。



 え? それで、フレンズたちはどうなったって?


 いいでしょう。知りたがりのフレンズには、教えてあげます。

 すべてを読むには「わっふるわっふる」と書き込むのです――

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