第8話愛情表現 3

To  岡野裕也

Sub 無題

Text おはよう



To  岡野裕也

Sub 無題

Text 仕事に行ってきます



To  岡野裕也

Sub 無題

Text 今休憩です 好きです



To  岡野裕也

Sub 無題

Text 仕事に戻ります




彼は空いている時間に短いメールをポツポツ送ってきた。

こんなにマメにメールを送ってくるという事は、本当に彼は私の事を好きになってくれたのかな?



人から愛された事が無い私は、彼の真意を読み取る事が出来なかった。

出来なかったけれど、私は彼の表現に必死にこたえようとしがみつく。




To  大西舞子

Sub 無題

Text おはようございます



To  大西舞子

Sub 無題

Text お疲れ様です^^

   私は今からごはんです



To  大西舞子

Sub 無題

Text お疲れ様。私は仕事に行ってきます!




他愛のないメールを送りあった。

特にお互いの何かを知る事が出来た訳ではない。

それでもお互いに意味のないメールを送りあう。


「なんか最近アイツよく携帯イジってるけど、何かあったのかな?」


「男でも出来たんじゃねーの。っぶ・・・アイツの事好きになる奴なんていねーか」



扉の向こうから汚らしい声が聞こえてきたけど、無視。

アンタ達みたいな薄汚れた野郎とは違う、もっと素敵な人と私はメールしている。

それだけで私の心は満たされる事が出来た。



いつも単調なメールのやりとりを続ける。

十分楽しい。

でも彼についての詳しい情報はわからない。




何歳なの?

いつから彼女がいないの?

今まで何人の人と付き合ってきたの?

何が目的なの?




わからない。

ワカラナイ。




私はいつもの単調な流れを切るメールを送った。



To  大西舞子

Sub 無題

Text そういえば岡野さんって何歳ですか?

   もしかしたら私の方が年上かも知れないです^^;;



年齢くらい聞いても良いよね。

すぐに彼からの返事が来る。



To  岡野裕也

Sub 無題

Text 僕は31歳ですよ

   大西さんが年上でも 僕は気にしません

   好きになった方が負けと言うじゃないですか^^



失礼な!私はまだ26歳なんだけど!

・・・・・・31歳か・・・・5歳上。


確かに見た目は落ち着いていて31歳に見える。

嘘ではないみたい。



2番目の彼は、自分の年齢を偽り私に伝えていた。

岡野さんを信じてない訳ではない。

でも男の人は嘘を付くから。



31歳。

別におかしくない年齢なのに、私は妙に引っかかっていた。

なんで年齢を自分から教えてくれなかったんだろう。

隠していた理由は何?

考え過ぎかな?


ただ何気ない会話なのに、何故だか凄く気になる。

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