第15話 待ってました!

 ふふふ、待ち望んだこの時がやって来たぞ…!!




 実はついさっき、お昼の鐘が鳴ってフィオナと共に教会を出たばかりなのだ!


 勿論変装はバッチリしてある。どうやら神獣は人型なら多少見た目を変えれるらしいのだ。

 フィオナは白髪赤眼の美女だったが今は髪も眼もクリーム色に、そしてなんと見た目は12.3歳くらいの少女になっていた。俺の姿が10歳くらいなので合わせてくれたのだろう。

 俺もフィオナに合わせる様に黒かった髪と眼を薄茶色に変えた。

 上手く変装出来たし、傍から見れば姉弟ってところだな。


 てことで、早速街へレッツゴー!




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 初めて異世界の街を目にした俺は、まずそのデカさに驚いていた。

 何がデカいって、全部がだ。人も建物も俺がいた世界とは大きさが違う。

 しかも身体がまだ子供で身長が低い事も相俟って、かなりデカく見えるのだ。


「おぉ………」


 特に身長が。性別関係なく、皆2m近くあるのではなかろうか。

 デカすぎて首が痛くなってくる。


 勿論、俺が感嘆の声を上げた理由はそれだけではない。俺が期待していたものがそこにはあった。


 聖獣や魔法が存在する世界と言えば、皆は何を思い浮かべるだろうか。

 まず初めに、聖獣とは陰と陽の関係である魔物や魔獣、それを討伐する冒険者、その荒くれ者達を統括する冒険者ギルド。それから異世界でしか味わえない上手い飯にそれを一緒に食べる仲間達、伝説の聖剣や魔剣、封印されし邪神……等等、思い浮かべればきりがない。


 だが諸君、一番重要な事を忘れてはいないかね。

 そう、獣人やエルフ、ドワーフと言った亜人種だ…!!

 種族毎に国家を持っているらしいが、今の所それぞれの国に神の使いである聖獣が存在する為、国家間の戦争等はなく、他種族国家に移民する種族も珍しくないらしい。

 て訳で、この街にも移民してる亜人がいるという事なのだ。


 特徴的な耳や尻尾に、俺の目は釘付けである。


「へーわってさいこー…!」

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