第10話 どん底の頃のノート

昔の雑記帳が4冊でてきた。

毎日日記をつけるタイプではなかったのに、病気が重い時はよく文章を書いていた。


最初はただの日記で、それがだんだん俳句のようなものや拙い詩になったりしていて。


字体も最初は刺々しく、妙に整っていて、それからだんだん字体は丸く優しくなっていた。


内容も病の苦しさから、自分と向き合う言葉が増えていて。


1番多く書かれてあった言葉は、「諦めない。」だった。


頭が痛いけど諦めないぞ。

布団から出られないけど諦めないぞ。

部屋もいよいよめちゃくちゃだけど諦めないぞ。

コンビニ弁当しか食べてないけど諦めないぞ。

私は私を、諦めないぞ。


諦めないで、生きていくぞ。

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