ゆのさんの憂鬱。

藍川結野(ユノ)

勉強なんてやだ!!

ついにわたしは床に教科書を投げ捨てて叫んだ。


もうやだ、勉強ってなんのためにするの〜!!!


たしかに、勉強しないとテストの点数は低い。良い大学に入学できない。友だちにバカにされる。悪いことだらけだ。良いことなんて一つもない。強いて言えば、隣の席に座っている理系が得意な爽やか男子に化学を教えてもらえることぐらいだ。不純すぎる。

ただ、もっともっとよく考えてみてほしい。私たち高校生は、一体全体なんのために"勉強している"んだろうか?テスト期間真っ最中のJKが真剣に考えてみた。その結果、大きく2つの理由に分けることができた。


1つ目に考えられた理由は、忍耐力をつけるため、だ。

わたしが思う高校生の勉強のイメージは、暗記がほとんどだ。もちろん、現代文のように考えながら解くものもあるが、大体は暗記でなんとか乗り越えられる。特に各学校で行われる定期考査などは、ほぼワークの問題がそのまま出題されるので、思考力も何もなくとも答えを覚えているだけで点数がとれる。しかしその覚える努力をしなければ、良い点数はとれないのだ。つまり、わたしたちが寝る間も惜しんで勉強するのは、それによって、逃げずに辛いことに立ち向かい、必死に努力し、何かを得る、ということを学ぶ、ということではないだろうか。


しかし、それだけでは理由にならない。忍耐力をつけるのであれば、与えられた7時間授業を全て体育にして、スポ根マンガばりの厳しいスポーツで体を鍛え上げればいいのだ。でもそれでは"立派な大人"にはなれないという。ここでわたしが考えた2つ目の理由は、適応する能力をもつ、ということだ。専門的に学びたいことがあっても、基礎的な知識がないと学び始めることすらできないということはよくあるのだ。国語で文章を読み解く力をつけていなければ、数学の文章問題の意味さえわからない。英語を訳すときに適当な語が出てこない。数学の考え方を知らなければ、理科の世界に触れることは難しいし、英語ができなければ、現代の社会に置いて行かれてしまう。このように、たくさんの教科を学ぶことで、自分が本当に学びたいと思うことがあったときに、その学ぶための条件をクリアすることが容易にできるんだと思う。


他にも様々理由があると思うが、現役高校生のわたしが考える「勉強する理由」はこの2つが大きいと考えている。大人になったら、大人の視点でまたゆっくり考えてみたい。16歳の今から一体どんな変化があるだろうか。

なんだか評論みたいになってしまったなあ、、まあいいか。

さあ、床に落ちたかわいそうな教科書たちを拾って、勉強再開するとしようか、、、やっぱりやだなあ。

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