第05夜 ニセモノの火

 電車の通る道を歩いている。

 線路の上であることは確かなのだが、普通の線路ではない。

 その線路は木々の生い茂る森の中で、きりたった山の側面に巻き付くようにしかれていた。

 地面とはそこそこ距離があって、少し足を踏み外せばそのまま下に落ちてしまう。


 歩いていくと、なぜか室内に到着する。

 ラウンジのような場所だった。

 床は灰色のカーペットに覆われ、壁はベージュに塗られている。それほど広くない部屋だ。

 背の高い丸テーブルがいくつかおかれていて、同じく背の高い椅子にふたりの女性が腰掛けていた。

 歳は20歳くらいに見える。


 右の方を見回すと、部屋の壁となっているはずの部分がすっぽりと抜け落ちていた。

 そしてそこから広い公園が見下ろせた。

 (見下ろせるということは、この部屋はわりかし高い位置にあるということだ)


 時刻は昼で、公園にはまばらに人の姿も見える。

 公園の土のグラウンドのような場所では、いくつもの“ニセモノの火”が燃えていた。

 演劇などをやる時に布を火の形に切り取ってゆらゆら揺らすことがあるが、そのような感じだ。

 自分はそれを見て、部屋にいる女性ふたりに向かって「これは上から叩かないといけないな」と言った。

 (この発言の意図や内容はまるで不明)

 その後、女性二人に「タバコを吸いますか?」と聞かれた。※



 ※筆者はリアルでタバコは吸わない

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