第11話 小さな頃から





今まで乗り越えて来た


数え切れない困難な出来事と


それを乗り越えるたびに出来た

数え切れないたくさんの傷





時には

傷の痛みで圧し潰されて

自分の力では支えきれなくて

ただただ

おびただしい量の血を流して

歩かなければならなくて


いつも

あがいて 苦しんで


それでも

這って

ここまでやっと来れたんだ。




ひとは慣れる生物



痛みなんかもう慣れたけど




でも


もう



この身体を

赦してあげたい。





もう強くならなくて良いよ




もうゆっくり

休んで良いよ


って。






小さな頃から 叱られた夜は

いつも聞こえて来てた

あの小さなじゅもん


静かに流れる時に いつの日か

あたしは眠れる森に

連れ去られてた



小さな頃から 見えない力で

あたしを強くさせた

あの小さなじゅもん


たくさんの傷と争う時にも

抱きしめるたびに

震えて 響く



擦りきれた言葉たちの

欠片さえももう

どこかに消えたわ



壊れそうなのは

夢だけじゃないの


窓から差し込む 光

もう

行かなくちゃ



渇いた風に行き詰まっても

怖くはないわ

ひとりじゃない




擦りきれた言葉たちを

きっといつかまた

愛せる時が来るかしら…?



少し眠ったら

朝はまた来るわ


窓から差し込む光



もぅ行かなくちゃ




ただ歩く


人ごみに紛れ


いつもなぜか

泣きたくなる




JUDY and MARY『小さな頃から』♪

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