第3話カフェ・ルミエール店内

カフェ・ルミエール店内は、昼間の喫茶部開店に合わせて、少し改装を施した。


幅広で、黒光りのする一枚板のカウンターは、濃紺に再び磨き上げられ上品さを増した。

また、カウンター前の椅子も、どっしりとした白革製のもので12席に増えた。

カウンター以外のテーブル席は、これもまた濃紺に塗りなおされた一枚板の20人席対応のものが一つ。

その他は、4人席から6人席までの、同じく濃紺テーブル席が4つ。

尚、椅子についてはカウンター前のものと同じ。

合計すれば、50人は楽に入ることが出来る。


床については、上品なベルギー絨毯が一面に、とにかくシックな雰囲気を醸し出す。


店内の壁は、上品なこげ茶の木目を生かし塗りなおされ、カーテンは外側が純白レース仕様に変わった。


そして、何より変わったのは、店内の奥に、ステージを設置したことである。

ステージにはアップライトながらスタインウェイのピアノが置いてある。

誰か、演奏する人があるのだろうか。

ステージの広さは、やや余裕があり、ドラムセットぐらいは置けるかもしれない。



「それでは、いらっしゃいませ」

「誠に申し訳ありませんが、本日は午前中は貸し切り、予約券をお持ちの方から順番に」

どうやら、今日開店日の午前中は貸し切り状態、事前予約が必要だったらしい。


史の案内で、予約券を手にした客が、一斉に、店内に入った。

既に最大定員56の座席は、開店と同時に満席となっている。






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