透明な駅

そこは透明という名の駅


人々を乗せ湖へ走り出す電車

僕を乗せ湖上を進む電車


悲しむことを忘れた僕を

問うことを捨てた僕を

招くように乗せ電車は走る


終着駅はどこでしょう

誰かのささやく声がする


人々の間を車掌が進む

切符を拝見いたします

皆様がお持ちの透明な切符を


そこは透明という名の駅


僕の透明な切符を見て車掌は微笑む

切符に刻まれた行先を呟き微笑む

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