心の温かさに触れて、最高の読後感とともに溢れる涙。

ありがとうございました。
最初にお礼を言っちゃいます。

こんなにも心温まる物語を、子供たちの絆を、友情を、ぬくもりを与えていただけて、胸がいっぱいです。

レトロな田舎町での、自然災害から村人たちを救うお話。
古びた神社に住む幼い神様が、人間たちの前に現れて、避難誘導をしてくれるのですが、大人たちは全く信じてくれず……。

という、概要だけ見ると定番のおとぎ話に思えるものの、とんでもない。
早く避難しないと村人が全滅してしまう危機と、神様の姿が見える子供たちが必死に大人を説得する様子が実にスリリングです。

こうした駆け引きは王道中の王道だからこそ、本作品ではもう一つ、神様のお供であるお犬様の存在が光ります。

動物って可愛いですよね。癒しですよね。創作では何かの象徴だったり、示唆的な役割を果たしたりしてくれるんですよね。

犬が子供たちを先導して、避難経路を示してくれるんです。
大人には見えないけど、それを元に子供たちが大人を説得するんです。

村を救った神様「もっちん」と、そのお供の犬「みかん」。
あれから何十年も経ち、年老いたかつての子供たちが見たものは……。

奇をてらわない直球勝負の結末は、とても素敵です。
素直な、純粋な、感動の涙を流すことが出来ました。
もう一度言っておこう。ありがとうございました。

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