第6話 ブラック業界に飛び込むか?

ここらへんで様々なことを見てきたが、正直どれも厳しいという感じである。今まではそれこそ前職のキャリアやホワイト関係の業界を志望してきた。だが、失業保険が切れてしまった以上、もうブラック業界でもよいから入社しなくてはならないと考えてきた。



そして、私はいろいろと考えた結果、介護業界に行くことにした。



理由は簡単である。潰しが効くからである。介護業界ならば都会だけでなく、もしも田舎に帰ったとしても福祉業界ならば資格と経験を積んでおけば転職がこれから楽になるだろうと思ったからである。



だが、それでもインターネットに書かれていることを見ているとほんとにブラックな業界なのだろうと思ってしまう。



しかし3年間の我慢だ。介護福祉士を取っておけば一応手に職は就くだろうと思った。


そして私はそのことをハローワークに行ってきたところ・・・・出てきた答えは

「やめたほうが良いと思うけど」と職員さんは言ってきたのである。



それはまあそうなのかもしれない。実際にハローワークに通っている人たちの中には障害者手帳を持ってきている人たちもいる。そして精神障害者手帳を持っている人たちのほとんどは対人関係の職業の人たちが大半である。



その中でも福祉業界=ソーシャルワーカーは精神病になりやすい職業第1位にインターネットになっているのだから。


それでも無職のまま、かつこれからのことを考えるとどうしても手に職をつけときたいと思っていた。そして体力がそんなにない私は土方や電工は厳しいと思っていた。


「・・・・・わかりました。とりあえず佐久間さんの希望がありそうな求人をいくつかピックアップしてみますね」とハローワークの職員さんはいくつかのリストをプリントアウトしてくれた。



そして出てきた枚数は何百枚と出てきたのである。


「すごいでしょ、世の中不景気だ不景気だと言っていてもね。正社員の求人はあるにはあるんですよ。それも介護業界は万年人手不足ですからね」とハローワークの職員さんはそのプリントをすべてホッチキスで止めて私に見せてくれたのである。


「まあ、正直に言えば佐久間さんの言いたいこともわかるんですよ。倒産を経験した人間はどうしても手に職や潰しのある資格を取りたくなりますからね」と言い、



「ですがね、それでもまずは自分の体が第一ですからね。私も非正規ながらたくさんの利用者を見てきましたが、介護業界は並大抵の精神ではやっていけないと思っています。そしてそのあとに障碍者手帳を習得した人も何人も見てきました」と少し声を低く、そして重くいった。



「ですから、これから働くのはいいんです。ですが、とにかくまずは健康第一でいきましょう」

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