竜設定(第一部)
以下の文章には本編のネタバレが含まれます。
第三章までを読んでからお読みになることを強く勧めます。
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竜がいつ、何のために生まれたのか、はっきりとした由来はわかっていない。
一説によれば、この世界にかつて存在した「神々」を殺し、また天上人と呼ばれる古代種族の文明を滅ぼしたのは竜であるといわれている。
竜はそれぞれがまったく違った姿を持ち、また能力も個体によって大きく異なる。
ただし、いくつかの共通点は存在する。
まず、竜は極めて残忍で暴力的であり、特に人間と文明を滅ぼすことを好む。
また、竜は無限の活力を持っている。通常、生物は活動すればするほどにエネルギーを失っていくものだが、竜はその逆で、破壊・殺戮を行うことでさらに活力を増していく。これは、一説によればそれによって失われる「何か」を竜が何らかの方法で摂取しているためと言われている。
そして、受けた傷を再生する能力を持っている。主として、首を落とす、あるいは心臓にあたる部位を破壊することによって殺すことが可能。その際は、全身が灰になって崩れ落ちる。
竜は「体」と「心」を持つが、魂を持たない。そのため、本能のままに暴れまわることはできても、自分で何かを作ったり、他者とのコミュニケーションをとることはできない。ただし、自分より強力な存在に従うことはあるようだ。
現在では、多くの竜が封印されている。これは天上人たちが施したと言われており、封印の多くは彼らが世界から姿を消した時期と一致する。どのように封印されているかはさまざまで、土地、物質、また人間の「血」の中に封じられた竜もいるという。
■鉛巌竜プルブルドゥム
体高:5ルーメット
体長:9.5ルーメット
きわめて硬質な鱗と、口から高温の溶けた鉛を噴出する能力を持つ竜。
硬質な見た目にたがわず動きは鈍重だが、その体重ゆえ体当たりは非常に強力。
どちらかというと臆病な性格のようで、傷つけられると安全な場所にこもりたがる。
ロビンの町近郊の巨大岩石の中に封じられていた。
理論上無限に鉛を供給することができるので、竜でさえなければ人間の友になれたかもしれない。竜じゃないとそんなことできないが。
■群走破竜フロラーグ(親)
体高:8ルーメット
体長:4.5ルーメット
長い脚の先に鋭いかぎ爪、蛇のような首に牙が生えそろった口を持つ竜。
胴の後ろ側に生えそろった巨大な鱗は時間とともに膨らみ、子竜になって分離する。
その名の通り平べったい体は走ることに適しており、一日でカンドゥアの国土の半分を駆け抜けた。
カンドゥア西部の深い谷の底に封じられていた。
前肢はなく、転んだときは頭を打ちやすい。もし転ぶところを人に見られたら恥ずかしそうに鳴きながら街ごと滅ぼすだろう。
■群走破竜フロラーグ(子)
体高:3.5ルーメット
体長:2ルーメット
フロラーグが生み出す子竜。
親竜をそのまま小さくしたような姿をしているが、新しく子を作る能力はない。
生まれたての子竜は親竜の後ろをよちよちと追いかけて走り方を学ぶ。この時、たまたま親竜が全力疾走中だと子竜を生み出したことに気づかずにそのまま置いてけぼりにされる。迷惑である。
■恐慌飛竜フィランドル
体高:4ルーメット
体長:5ルーメット(翼幅:12ルーメット)
蝙蝠のような翼とトカゲのような頭部が特徴の竜。
その咆哮は人間の精神に影響を及ぼし、聞いたものを混乱させ、恐怖を強く喚起する。周囲の人間が敵に見え、攻撃を始めるものも多い。
カンドゥア大図書館の禁書架にあった禁書のひとつに封じられていた。
飛行速度が速く、竜騎士ゾランの乗騎となっている。
特に人間が乗ることを想定して飛ぶわけではないので乗り心地はあまりよくない。また、フィランドルの方も重い鎧を着こんだゾランに乗られると飛びにくいらしい。お互いに思いやりあって黙っている。
■氷晶絶甲竜ドニースウィード
体高:13ルーメット
体長:17ルーメット
全身を覆う結晶状の甲羅が特徴の竜。
全身から猛烈な冷気を発し、また自分が冷やした空間の中ではさらにその力を増していく。放っておけば一週間以内にはカンドゥア国土を凍土へと変えていたと予想される。
口からはさらに強烈なブレスを吐くことができ、その冷気は自在に氷の壁を生み出したり、巨人機すら凍りつかせるほど。
リャスミーの青年・ウィードの血脈に封じられていた。
竜は魂を持たないが、人間の魂を奪うことでその力を何倍にも増幅することができる。ドニースウィードは氷甲竜ドニースがウィードの魂を奪った姿である。まだウィードの魂を完全に食らいつくしていないため、動きは鈍かった。
凍りついたリャスミーの街の片隅で、誰かがシャーベットを偶然発明したらしい。
■氷甲竜ドニース
体高:6ルーメット
体長:8ルーメット
全身を覆う透明な甲羅が特徴の竜。ドニースウィードの本来の姿。
ドニースウィードと同様に全身から冷気を発し、冷たいブレスを吐くことができるが、披露する機会はなかった。
本来は高い防御力を持っているものの、バーンソードマンの溶断する剣との相性が悪すぎた。
亀と違って甲羅の中に手足を引っ込めることができず、斜面を滑って降りることは苦手。いいところなしである。
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