平ワで平ラ

 ある日、空に大きなUFOが現れた。

「君ら、同族殺し過ぎヨ。宇宙平和連盟で話し合った結果、君らの争いの種を消すことにしたヨ」

 宇宙人から発せられたのはノイズ混じりの声だった。

「ジャア、争いの種になるものは何ダイ?」

 人は言った。肌色の違いで人はいさかうと。宇宙人はそれを聞くと全人類を白と黒と黄を足して三で割ったような色にした。

 他にも沢山の争いの種を消した。世界はどんどん平らになっていった。

 それでも人は争った。

「アトは何を平等にすれば良いんだイ?」

 人は答えた。

「考え方の違いが争いを生むのです」

 宇宙人は思考の差を消し、地球を去った。

 数百年後、期待を胸に宇宙人が再び地球に訪れると、人は皆、居なくなっていた。

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