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第17話への応援コメント
ケセオデールが「好奇の目にさらされて」いて、ケセオデールに近づいてくる女たちもいれば、敵視してくる女たちもいるシーンところが面白いなぁと思いました。
刺々しいことを言う女たちの、
>「次々と新しいおもちゃを手にいれられるようで結構なこと」
>「おぞましい……あのひとがここにいると空気まで汚れてくるわ」
>「清純そうな顔して、わたしたちのこと、げすな男みたいに値踏みしてるのかしら?」
>「甘やかされたせいね、お生まれがあたしたちとはちがうように、あっちのご趣味もちがうのよ」
のところが、(変な感想かもですが)読んでいて面白くて! もし私がケセオデールだったらこんなこと言われたら傷つくけれど、読んでいて、悪意に溢れる女たちの刺々しい言葉遣いがなんだかとても面白くて!
近づいてくる女たちの性にオープンで露骨な好意からも、敵視してくる女たちの色々な感情が混ざりあっているのだろう悪意からも、女の欲のようなものを感じました。女たちから、ねっとりしていて熱を帯びて、グツグツしている女の感じが伝わってくる思いです。すごく好みで、魅了されています。
物語を始めオムホロスやゴドウさん、魔法使いやケセオデールは勿論、ケセオデールの周りにいる女たちの描写にも引き込まれながら拝読しています。
作者からの返信
ありがとうございます!
女達の悪口は貴族の女性なら婉曲的にこういうだろうなと思いながら考えました。
こんなことを言いつつも好奇心は隠せないし、もし誘惑されたら彼女たちですらそれに乗らずにいられるのかと思えます。
冬の季節に彼女たちは退屈に倦んでいるし、ケセオデールのことは自分たちの好奇心をくすぐるもってこいの話題なんでしょうね。
いつも楽しんでくださって嬉しいです。ありがとうございます。
編集済
第16話への応援コメント
>女たちとは異質で異端。しかし、人の皮をかぶった夢魔のように正体はさとられず、あるべきものがないだけ。
のところに特に引き込まれました!
なんだろう、ここのケセオデールに読んでいてなにかを身近に感じる思いで(?)、印象的で、描写にゾクリとしながら感情移入しています。
>女主人として、少女として、リビドーなき男として。
のところ。
「リビドーなき男として」はケセオデールの気持ちを思うと切ないけれど、「リビドーなき男」という言葉に読んでいるとなんだか安心も感じ、警戒心が薄らぐ思いです。本能的な感覚なのか、読んでいるとリビドーがない男なら、ある程度安心…? 危険な状況にはなりにくい…? と感じながら。
ケセオデールが庭娘に対して「王女として」(女として)振る舞い、物理的に(身体的に)距離を縮めていくところ、まるでクモの巣のクモと獲物みたいと連想しました。
娘が狙われている、娘はそれに気付かない。娘からすると、ケセオデールとの精神的な距離が「段階を踏んで」近づいている。ケセオデールの方は「娘を手なずけて」「娘を手繰り寄せて」近づいている。娘はこのままだと危険なのに、惹き付けられて目が離せない…!
娘からすると危険な状況のはずなのに、ケセオデールは「男」なのに、読んでいるとケセオデールと娘のやり取りにドキドキして、ゾクリとする思いです。
ケセオデールは男なのに、私なんでこんなに読んでいて胸がどくどくとときめくんだろう…!
拝読していると、そんな感覚が込み上げてきます。藍上先生の筆力のものすごさを感じています…!
作者からの返信
ありがとうございます!
ケセオデールは、自分の本心を隠して周囲と接していますが、自分では「男」であることを自認しています。リビドーは性欲でもあるので、そういったものをひた隠している。「女」を演じていることでもあります。
娘が危険というわけでもなく、性的に奔放な世界観なので、ケセオデールは誘惑する時を待っているのだと思います。そのときが来れば、娘がケセオデールを受け入れるかも知れないと、期待しているのだと思います。
ケセオデールにとって、これは駆け引きの一種なんだろうと思っています。
いろどりみかん様がドキドキして、ケセオデールに感情移入してくださってとても嬉しいです。
編集済
第15話への応援コメント
ケセオデールの感覚が、はっきりと男性になっていると感じました。
>いまや別の意味でケセオデールは女の匂いに敏感になっている
のところも、ケセオデールに(悪い意味ではなく)動物的な印象を受け、今のケセオデールは生き物として男性的な感覚を持っていると感じ、ケセオデールの感覚がリアルで生々しくて、読んでいて、ケセオデールが今ここにいるという感じ、いっそう引き込まれています。
ハルコーンに抱かれながら「庭係の娘の幻影を呼び起こし」ているケセオデールに、これが本来のケセオデールの性なのだと、ひしひしと感じました。
>ケセオデールの魂は見も知らぬ異性の肉体に宿り、見慣れた性器をそなえていた。
のところに、ケセオデールが本来自分に備わっていたはずの性器を、実際の目では見えなくとも、感覚的にはっきりと見えていると感じ(ビジョンを抱いていると感じ)。
(そしてこの「見も知らぬ異性の肉体」はオムホロス…!?)
こんなにもはっきりと、本来の自分の性の象徴を感覚的に抱いているのに、今のケセオデールに実物の男性器は備わっていないところが切なくて、痛ましいと感じました。本来あるはずの自分を認識する上で大事なものが、今ないのだと。
>もはや意識しなければ、ハルコーンのことさえ忘れてしまいそうだった。
のところ、今もうはっきりとケセオデールにとってハルコーンは、性的な関心がないんだなと感じました。
ケセオデールは、ハルコーンがケセオデールを大切に想っているのを知っていて、ケセオデールもハルコーンを人として大切に思っているし、決して嫌いではなく好感を抱いているのだろうけども…。
本来男性のケセオデールにとって、ハルコーンは性欲の対象ではないんだなと感じました。
>いまやはっきりと意識した。奪われていたのは自分のファルス。
のところ、とてもクリアに伝わってきました。ケセオデールがはっきりと自覚したのだと感じました。
>そして、いままでずっと奪われ続けてきた。
のところ痛ましく。
>たんせいこめて夫のためになにかしていても、心は日々に盗み見る情欲の恋人を思い、庭をうろついたこともしばしば。
のところ、ケセオデールの性的な関心はもうはっきりと、庭娘に向かっているのだと感じました。性交的の相手は女性だと認識して、本能的な欲求が向かっているのだと感じました。
だけど、
>ケセオデールはハルコーンの愛につつまれているときだけ、彼のためのケセオデールという女になった。
のところに、ケセオデールは決して望んでハルコーンに抱かれているわけではないのだろうけど、ハルコーンのことは人として嫌いではないし、ハルコーンがケセオデールを大切に想ってくれているから、傷つけたくはないんだろうな…と感じ。「妻」として誠実に(?)役目を果たして(?)いると感じ、ケセオデールの誠実さや、真面目な人柄を感じました。
もしケセオデールが本来女性で、性の対象が男性で、ハルコーンに情欲を抱いていたなら、ハルコーンはとてもいい夫で、2人は仲睦まじい夫婦だったんだろうなあと少し切なくなりました。
「男たちが長い旅にでかける季節」が巡ってきて。
>ファルスをもぎとられた男は女なのか、それとも女の形をした男なのか。単なる畸型した女なのか。
とケセオデールが自分自身への考えを深めているところ、とても印象的です。
ケセオデールが自分に対してどういう結論に辿り着くのか、どう答えを出すのかが気になります。
>このままだと、決してこたえは得られない。
のところ、こたえを得るためには行動するしかないんだろうなあと思いました…!
作者からの返信
ありがとうございます!
ケセオデールの気持ちや悩みなど、くみ取ってもらえて嬉しいです。
ケセオデールの今後がどうなるか楽しみにしていて下さい。
編集済
第12話への応援コメント
ケセオデールと義妹さんの会話シーンの、
>けいれんとは初耳。ケセオデールはその意味知りたさにうずうずしたが、率直に聞くことさえできなかった。
のところ、その辺りは聞いてみたくても率直に聞きにくいだろうなぁと共感しました。ケセオデールは事情もあるから、なおのこと率直に聞きにくいだろうなぁと思いました。
義妹さんの「うっとりとその両手を下腹部にあてた」仕草や、「冷たくいいはなった」りするところ、
「激しく貫かれてごらんなさいよ。ひきしびれる思いで、胎が悲鳴をあげるのよ。 ~」とダイレクトに言うところ。
義妹さん何だかいいな、好きだなと思いました。
義妹さんがもし身近にいたら、迫力が少し怖いけれど、義妹さんのお人柄なんだか好きだなぁと思いました。
ケセオデールがあまりの言われようにハルコーンをかばいたいと思いながらも、
>しかし、その名誉挽回をしてあげようとすれば、お次ぎは自分が好奇の目にさらされる。しかも無慈悲という名の。なるべくなら自分だけはその渦中に投ぜられたくないものだ。
のところ、その感じ分かる…と思い、リアルさを感じました。ケセオデールには切実な事情があるからなおのこと、無慈悲な好奇の目にさらされるのは避けたいだろうなぁと共感しました…!
作者からの返信
ありがとうございます。
冬などに女達でコミュニティを築き上げる為、近親者同士が親密すぎて秘密を守ろうと思ったら、絶対に口にしないことが重要なんですね。
だから秘密を知る人が一人でもいたらあっという間にみんなの知るところになるわけです。それは陰湿ないじめでは無く仕方のないことなんです、おしゃべり以外の娯楽が無いから。
編集済
第11話への応援コメント
面白くて、引き込まれながら読み進めています。
>男であったならと夢想できたのは、女であるということをかけらも疑っていなかったせい。いまやその自信すらぐらつきはじめている。
のところ印象的です。
>この体はいったいなんなのだ。石女なのか?
>しかし、男ではないことは確か。
のところ、ケセオデールがぐらつきながら、自分はいったいなんなのか模索しているところ、強く引き込まれます。
義妹さんがケセオデールに他の男を勧めてそそのかして? いるところに、この義妹さんはあまり信用しない方がいいかもしれない…。いや、義妹さんは自分の欲求に正直なだけかも、人間も生き物だから、生き物としては間違ってないのかもしれない……、いやでも義妹さんはなにか、たちが悪いような……? と、義妹さんを少し警戒しながら読み進めています。
作者からの返信
ありがとうございます。
義妹の誘いは、この国ではよくあることで、悪い遊びではないのです。
性に開放的な民なのだというだけなので、あまり義妹ばかりが悪いのではないですが、こういう誘いにのることでケセオデールの違和感と絶望はより深くなっていきます。
編集済
第10話への応援コメント
>ひどく乱暴に自分からなにかが奪われてしまったかのような錯覚。
のところが印象的で、心にグワッときました。
ケセオデールが、
>原因は夫となった従兄、もしくはその性器にあるのだ。
>いままでの不自然さは彼のせいだったのだ。なにも感じないのは彼の体に問題があったからなのだ。だからこそ、自分はハルコーンの性器に腹立たしさをおぼえたのだ。
と考えるところ、グラグラと煮えたぎるようなどす黒い苛立ちのような激情を感じました。
>くしをつかみ乱暴に髪をとかしはじめた。むしゃくしゃする気持ちを髪が抜けるほどにくしにこめた。
のところ、ケセオデールのむしゃくしゃとした思いが強く伝わってきました。
もしいま私の目の前にケセオデールがいたら、私はケセオデールの怒気がとても怖いと感じて怯んでしまいそうです。
ケセオデールの様子に迫力を感じながら、感情移入しながら、引き込まれて読み進めています。
作者からの返信
ありがとうございます。
ハルコーンが戻ってきて、彼と関係を持つことで、ケセオデールは、自分の懊悩の原因を知ることになってさらに悩み苦しみます。
そういう部分を感じ取ってもらえて嬉しいです。
編集済
第9話への応援コメント
>ハルコーンとわりない仲になっていくにつれ、愛が自分をさらってくれると呑気なことを考えていた自分は、ほんとうにねんねだったのだと気付かされただけだった。
のところ、ケセオデールの気持ちがとても現実的だと感じ、より身近に感じて感情移入しています。
>まるで、もえぎ色のドレスをきた自分を鏡のなかにみたときとおなじように、なにかがちがう、待て、と。
のところに、その違和感がいっそう伝わってきて、ケセオデールの思いを感じながら読み進めています。
ハルコーンが心からケセオデールを心配しているのが分かるだけに、ケセオデールが「ただ、こんなに愛しあっていたら、結婚したあと、その分減ってしまうんじゃないかと思って」とやんわりと誤魔化すところも印象的です。
ハルコーンはがっつり男性的にケセオデールを求めるけれど、いい人だから、ケセオデールもハルコーンを決して嫌っているわけではないから、突き放せないし、傷つけなくないんだろうなあと思いました。
ただなにか違うという違和感が強くて、その原因もはっきりとは分からなくて、
>なにも感じないのはやはり自分に問題があるからだ。
と悶々ともやもやと苦悩しているんだろうなあと思いました。
何かがおかしくて、原因がはっきりとは分からなくて、何をどうしたいのか、どうすればいいのか分からない状態は、まるで暗闇の中で正体不明の何かと戦ってるようで、ケセオデール苦しいだろうなあと思いました…! しかもその違和感を抱いているのは自分(ケセオデール)だけで、周りの人たちは普通に順応している様子というのは、ケセオデール辛いだろうなあと…。
作者からの返信
ありがとうございます。
ケセオデールの懊悩を感じ取ってもらえて嬉しいです!
編集済
第8話への応援コメント
>ほとんど公然と夜毎おとずれる未来の夫の足音を聞くたびに、今日こそは愛そうという重荷と、なにかがこそぎとられていくような喪失感にあえいだ。そして、夜明けに許婚が寝床から抜けだしていくと、ほっと胸をなでおろした。
のところ、ケセオデールの気持ちが、胸に痛みを伴って伝わってくる思いです。
なにげなくみやった若い庭女に、ケセオデールの、
>まるで金づちで胸を殴られたような衝撃が全身に走った
のところ、ものすごい衝撃を受けたんだろうなぁ…! と読んでいてガツンと響きました。
>熱湯のようなものが胸のあたりからじわりとひろがっていく。
のところも、衝撃が気持ちだけでなく身体にも影響が出るほど、強かったんだろうなぁ…! と思いました。
庭女の娘に対するケセオデールの様子に、なんとなく男性的な感じがしました。
ハルコーンとの婚礼に困惑してすり減っている時のケセオデールは、なんとなく女性的な印象(ケセオデール自身は違和感を覚えていても)だったのですが、庭女の娘に対してのケセオデールは、男性的な印象を受けました。
それでいて、私は女性でケセオデール本人ではないけれど、読んでいると自然と、自分がケセオデールになったような感覚を覚えながら読み進めています。
>すぐ背後にひろがる中庭で、薄汚れ作業している娘のことを考えると、胸の動悸が激しくなり、振り返らずにはいられなくなる。
のところ、特に「胸の動悸が激しくなり」に共感しました…!
>娘の凡庸さと自分に無関心なようすが、ケセオデールにはひどく恨めしく思われた。
に、ケセオデールの気持ちと表情が伝わってくる思いです。
>なにもいわず、突然去ってしまったことを、娘はどう感じただろうか。気になりはじめるとそれを確かめずにはいられなくなり、中庭へ引き返した。
>また話しかけるのはおかしなことかも知れないし、気にかけているのだとさとられたくなかった。
のところ、感情移入して、共感して。
あるある…わかる…と、なんだか読んでいて、カーッと赤面する思いです。ここのシーンのケセオデールの気持ちと行動、なんだかとても身に覚えがあって、恥ずかしく…というか、照れて? もだもだ赤面しちゃいました!(このコメント書いていてすごく悶絶の思いです。絶対いま私赤面してます。)
ケセオデールの描写、読んでいて他人事とは思えないリアルさで引き込まれてきます…!
感情移入しながら楽しく拝読しています。
作者からの返信
ありがとうございます。
ケセオデールはとても感情豊かな人物だと思います。
そんなケセオデールの感情を感じ取っていただいて嬉しいです!
編集済
第1話への応援コメント
読んでいて伝わってくる情景が好きです。
わたし子供の頃、1人で静かに本を読むのが好きだったのですが、今またその時が再来したような感覚です。昔ハードカバーの小説本を手にワクワクしながら読み進めていた時のことを思い出します。
藍上先生の御作品と出会ってから、今日はここまで読み進めよう、今日はあと少しだけ作品世界を冒険して眠ろう、と思いながら、現在「キメラの島」を大切に拝読してします。
>こずえのすきまから、巨大な琥珀の目玉がぎょろりと女王を見下ろしていた。
のところ、この「黒い手」は魔法使いだろうなあと、眼力すごいなぁ怖いなぁと思いました。
>女王は毛織りの衣をひざにひろげ、ケラファーンの女たちがするように、色とりどりの糸を針に通して心に浮かぶ神話や武勇譚を縫いこんでいった。
の特に「色とりどりの糸を針に通して心に浮かぶ神話や武勇譚を縫いこんでいった。」のところと、
>ケセオデールはひざのうえのやりかけの刺しゅうと針をとり、夢想に耽った。
のところが特に印象的で、まるで針仕事を通して読書してるみたい!(?) と身近に感じながら、いいな、素敵だな、と思いました。
ケセオデールは春がくれば結婚する従兄のハルコーンのことを、
>恋も愛も感じたことはないけれど……
>激しさはないけれど、特別な目でおたがいをみつめあうようになるだろう。
>それなのに、このしっくりといかない小さな心のすきまはなんなのだろう。
と感じているところ、読んでて興味があって、詳しく知りたいなと思いながら読み進めています。
作者からの返信
ありがとうございます。
ケセオデールが如何に女性として育てられて、自身もぼんやりとそれを受け入れていたか。
今まで男性女性を意識することが無かったのに、状況が変化することで、ケセオデールは自分の中にある違和感に気付いたのです。
その違和感と気づきがこの章の中心になっていきます。
ジェンダーに関わることで結構そういったシーンが多いですが、どうぞお付き合いください。
編集済
第16話への応援コメント
オムホロスとゴドウさんの行為の描写に迫力を感じながら、
>オムホロスは思い出し、微笑んだ。あのときからすでにゴドウはオムホロスを欲していたのだ。
のところ、ゴドウさんが可愛くて、オムホロスとゴドウさんが(今この時は、束の間であっても)幸せそうで、私も笑顔になりました(*´﹀`*)
「ホムンクルスにとっての完全体とはいかなるものなのか。」のところ、
「なぜわざわざヘテロである女男性体を生み出したのか。」
「女男性体のもつ特質が重要だったのか?」
「おそらくそうであろう。ではそれはいったいなんなのか。」
のところ、なぜだろう…なんなのだろう…と思いました。
女性と男性、ヘテロ…。反対側にあるもの同士が同時に存在している必要がある…?
対になるものが同時に必要…?
混ざり合わないものを最終的に混ざり合わせて生き残らないといけない…? どういうことだろう、いったいどんなからくりが…? と漠然とあれこれ感じたり考えたりしながら読み進めています。
作者からの返信
ありがとうございます。
複雑な仕組みですが、当時の私はちゃんと分かってたみたいです汗
すっかり設定を忘れてしまいました。
楽しんでいただいているようで良かったです。
編集済
第15話への応援コメント
魔法使い(マスター)もまたホムンクルスだったのですね!
てっきり人間かと思い込んでいたので驚きました…!
今までオムホロスの身体の女性的な部分の描写をドキドキときめきながら拝読しているのですが、今回の魔法使いの身体の描写は、ときめきよりも「琥珀の瞳がじろりと動」く様子や「オムホロスをとり囲むあらゆる偽像がオムホロスをにらみつけて」いる様子の迫力に、ヒッ怖い! となりました…!
魔法使いに迫力を感じながら、魔法使いとオムホロスの会話が印象的で引き込まれています。
特に、
「だが最終的に口にする血も肉もおまえ自身のものではないし、ましてやゴドウのでもないんだ」
「おたがいのさ」
のところに、オムホロス(と魔法使い)はこの先、好きな人と結ばれて幸せに終わりを迎える(?)のではなく、自分のもって生まれた運命から逃れられず、自分を作ったくせに愛してくれるわけでもない親のような存在と、血と肉の泥沼の闘いをしないといけないんだ…と、ホムンクルスの宿命の重さの片鱗を感じた思いです。
魔法使いの、
「まえに忠告したはずだ。おまえはわざわざ脇道にそれて、かんじんなところで失敗している」
のところも印象的です。ここの台詞は特に印象的で、読んでいて(実際にはそうではないのに)まるで自分に対して言われたように錯覚して、引き込まれました。他人事ではないと感じ、いっそう興味関心がムクムクと…!
物語の世界に私は居ないのに、自分事のように引き込ませる藍上先生の筆力、なんてすごいんだろう✨と改めて思いました。
魔法使いの、
「ああ、おまえにすこしでも役にたつ脳みそがあってよかったよ。そうでなけりゃ、張りあいがない」
のところ、魔法使いからオムホロスがすこし認められていて、オムホロス良かったねと思ってしまいました…!
魔法使いの、
「そのとおりだよ、だがな、おなじ修羅場をくぐり抜けて、ここにこうしているものもいるんだ。おまえばかり甘やかせてはいられぬ」
のところに、魔法使いたちの世界の厳しさの片鱗を感じました。
覚悟もできていない&鍛練もしていない私にはとても潜り抜けられそうにない修羅場に緊迫しながら、オムホロスがどう魔法使いと対決していくんだろう? とドキドキしています。オムホロス頑張って……!(ハラハラ…!)
作者からの返信
ありがとうございます!
22歳くらいの頃の作品で、もう30年近く昔になります。その作品が、いろどりみかん様に少しでも影響を与えられていたらと、思って止みません。
この頃のようなエネルギッシュな作品を今は作れませんが、少しでも良い作品を作ろうという気持ちになれました。
この頃はインターネットもなかった時代だったので一人で書いて一人で満足していました。その頃の自分に聞かせてあげたいです。
第14話への応援コメント
「魔法使いの考え」気になります。
魔法使いさん、なんだか屈折した思いを抱えていそうな印象です。
まだ明かされていない、なにか謎がありそうで……
オムホロスの、
>しかし、されたいのではなく、したかったのだ。
のところ、
そして、
>いったいだれを? それはまだわからぬ。
>だが、ゴドウではなかった。
のところ…!
驚きながら、とても気になっています。
>なにか重要なことが自分から隠されている。
のところも印象的です。
読んでいて、オムホロス(自分)とは、いったい何なのだろう? どういう者なんだろう? というような感覚がしてきました。
作者からの返信
ありがとうございます!
さて、どんな意味があるのでしょうか。
オムホロスを含めてたホムンクルスは全てそういった欲求があるのだと思います。
※ この作品のホムンクルスは他の作品に出てくるホムンクルスと定義が違います。オリジナルのホムンクルスです。
編集済
第12話への応援コメント
ゴドウさんの思いが、熱く強く伝わってくる思いです。
特に、
>オムホロスはゴドウに優しく話しかけた。
>「ゴドウ……オムホロスに愛をもとめるのはやめるんだ。オムホロスは応えてやれないのだよ」
>ゴドウはその言葉を無視した。
のところ、
>オムホロスの瞳と、ゴドウの行為にそわないひたむきな瞳とがむきあった。
のところ、
>オムホロスのあえぐ声にゴドウは我に返り、腕を離した。
>ゴドウは苦悶に顔をゆがめ、首を激しく振るとオムホロスに背をむけた。
のところ、
ゴドウさんの仕草などから、言葉は発せられなくとも、ゴドウさんの表情や思いが、これでもか! と伝わってくる思いです。
(個人的な感想ですが、私は元々男性の男性的な感情が怖くて苦手ですが、ゴドウさんからだったら、こんなにも強く想われてみたいなという気持ちも芽生えてきました。)
(読者の個人的な苦手部分をも覆す程、藍上さんの描かれる御作品「キメラの島」とゴドウさんが魅力的で。これが藍上先生の筆の力の凄さ……!✨ と改めて感じています。)
作者からの返信
ありがとうございます!
私も男性の乱暴な部分などとても苦手です。ゴドウは羊ですけど、とても温和で賢明な男性です。こんな男性がいたらほんと惚れてまうわーですね。
ちなみに「黒羊は〜」という短編に出てくる黒羊はゴドウです。わりと好きなキャラクターですね。
編集済
第10話への応援コメント
ゴドウさんの、
「雌キメラを殺すことでゴドウがなにをいいたかったのか、察することができた。」
「あれはきっと、自分の心が身体に裏切られ続けられている人間の顔なのだ。」
のところに、胸が切実な思いになりました。
オムホロスの、
「オムホロスはひそかに感づいていた。魔法使いの冷たさが自分のなかにも存在すると。」
のところも「冷たさ」の感覚が伝わってくる思いで、印象的です。
ゴドウさんの思いも、オムホロスの思いも、半分ずつ伝わってくるような感覚で、御作品に浸る思いで、少しずつ読み進め、拝読しています。
作者からの返信
ありがとうございます。
オムホロスとゴドウのやるせない思いが叶うと良いのだけどと、ロマンチックに思いはしますが、モロに取り憑かれたゴドウを元に戻すことは出来ないことをオムホロスは分かっているんですよね。
編集済
第9話への応援コメント
魔法使いの、
「わかってないな……モロに取っ憑かれれば死ぬまでああなんだよ。目的のものに種を植え付けるまで発情したまんまなんだ。それならいっそのこと殺しちまったほうが情けなのさ」
のところと、
「オムホロス、深みにうっかり足を踏みいれるなよ、そこは底無しだからな。抜け出せなくなってから、後悔するなよ」
のところが特に印象的です。
「ゴドウの目が、その光景を無言でみつめているオムホロスをとらえ、悲痛げに表情をゆがめた。」のところに、ゴドウさんの胸中を思い、胸にグッときました。
作者からの返信
オムホロスにゴドウを与えたのはオムホロスの孤独を癒やそうという考えではなかったんですね……。
編集済
第8話への応援コメント
「この半月以上はゴドウのモロ神に対する精いっぱいの抵抗だったのだ。」
のところ、ゴドウさんの感情を思うと、心がグッとなりました。
「オムホロスはそこでさとった。」
「ゴドウには人の知性や理性があると。それを獣性にはばまれて、ゴドウはオムホロスに胸中を訴えることができなかったのでは?」
のところ、特に、読んでいて胸がグッと押さえつけられるような感覚がしました。
人の知性や理性があるのに、獣性にはばまれて相手に伝えられない状態…。
ゴドウさん今まで、もどかしくて苦しかっただろうなあと思いました。
作者からの返信
ゴドウは、隠者のような性格で、オムホロスを心の中でとても大切にしていたと思います。
編集済
第4話への応援コメント
今第10話まで拝読しています。
風景や、料理の描写(豚の燻製芋のもちなど)も印象的です。
異文化の国を、御作品越しに眺めている感覚です。
御作品から伝わってくるものがとても力強く、本能的なエネルギーを感じています。
ゴドウさんが作られて以来の2年間、オムホロスが「まえよりも食事をおいしいと感じるようになった。」のところも印象的です。
(オムホロスのことを、さん付けとくん付けどちらとお呼びしたらいいか少し迷いまして。性別や年齢を考えると、さん…? くん…? 少し迷った末、オムホロスさんはオムホロスさんとして、物語の中で今ここに存在していると思うので、敬愛を込めて「オムホロス」と呼ばせて頂いてます)
オムホロスの女体部分の生体の描写に、読んでいてドキドキと照れ、少し赤面したりしながら。物語を興味深く、御作品に浸らせていただいています。
作者からの返信
ありがとうございます。
当作品は書き直しつつ今の形になって20年以上経ちます。
思い入れのある作品なので、楽しんでいただけてとても嬉しいです!
編集済
第18話への応援コメント
ケセオデールと義妹さんのやりとりにドキドキしています。
ケセオデールの「相手にことかいて見境がなくなるなんて、獣とおなじね」は、ケセオデールは自分自身のことを言っているんだろうなぁと思いました。
ケセオデールの「おなじようななぐさめならおたがいでできるでしょうに……」のところ、義妹さんの「かき寄せてようやく乳房といわれる代物になるのじゃなくて? それにこの顔」のところ、ドキドキします!
ケセオデールは本来は男性だけど、外見は中性的な女性で。義妹さんはその事情を知らない女性で。拝読してとてもドキドキしていると段々、どうして私はこんなにもドキドキしてしまうの? という気持ちも強まっていきます。
ですので個人的にそういう感情が強くなっている気持ちも含め、状態は違えどもケセオデールのことを他人事だと思えず、ひきこまれています。読んでいる人にそういう思いを浮かび上がらせて、まるで自覚させていくような、藍上先生の強い筆力を感じながら読みすすめています。
義妹さんの「あなたは女臭くないのよ。 ~」の言葉が印象的です。ダイレクトだと感じ、ハッとしました。
ケセオデールの、
>だれかが笑っていた。男の声で低く押し殺し、強い酒でのどがかすれ、その口から突いてでてくる。とめることができなかった。
のところ、ケセオデールの壊れそうな気持ちを感じました。
>どうしたらいいのだろう。 ~ いったい、自分はなにものなのだ?
のところ、もう抑えきれず我慢できなくなってるのではないかと感じました。
>娘はこびを含んだ笑みを浮かべて、じっと王女を見下ろしていた。
のところの庭娘に、うわぁ嫌な感じだ…と思いました。
>そのしぐさ、その目は、ケセオデールを完全に男と見立てていた。
のところ、庭娘はケセオデールの事情を知らなくても、もう男として認識してるんだなと感じました。
私は今庭娘に嫌悪しているけれど、どうし嫌悪してるんだろうと、読んでいると自然と考えてしまいます。
庭娘が私と同性だから、私は庭娘のことを嫌だなと感じるのかなとか。
私はケセオデールに感情移入しているから、庭娘がケセオデールに女を露にして近づくのが嫌なのかなとか。
でも私と庭娘は女性で同性だから、庭娘の欲を私が否定するのは変かもとか。
いや同性だからこそ、私は本能的に今、庭娘に嫌悪してるのかなとか。
自分の嫌な面を見てしまったような焦りを少し感じたり、なぜ私はこんな感想を抱いているんだろう? と自問自答をしながら読みすすめています。(感想が脱線するのですが、小説を読んでいてこういう感覚になるのは、普通にあることなのだろうか? と、「読書」ってどういう状態なんだろうとか、かふと思ったりも)
>ケセオデールは歯を食いしばり、頭をもたげてくる衝動を押しとどめた。
のところ、言葉を「あえぎながら吐きだした」ところに、ケセオデールのもう抑えきれず爆発しそうな衝動を感じました。
必死に堪えて抑えながら、女の喋り方で庭娘を遠ざけようとするところにドキドキとしながら、読みすすめています。
作者からの返信
ありがとうございます!
多分、庭娘、義妹がケセオデール自身ではなく、また愛しているわけでもなく、単純に自分の欲望や好奇心を満たす為にケセオデールに迫っているのだと分かってしまって、悩み苦しんでいる。
ケセオデールは、この娘達にとって自分は単なる好奇の対象でしかない、欲望を満たす道具でしかない、というのを自覚しているからだと思います。
あからさまに言えば、男のように女達の肉欲を満たしてくれる人間と見られるのに堪えられないのです。
ケセオデール自身は木の枝は自分が男である証明にはならないと絶望しているのです。
多分、ケセオデール自身も肉欲から庭娘を誘惑したのを理解しているから、余計に自己嫌悪に陥り、自分自身のアイデンティティが崩れそうになって絶望しているのだと思ってます。
感情移入して読んでいただけてとても嬉しいです。