第6話 救世主


「おい!見つけたぞー。純也。それも2人!ほら、早く動けって!」啓太が2人の手を持ち無理やり歩かせる。そして2人は純也の前に立つ。


「へへへっ、じゃあ童貞捨てさせてもらおうか…」啓太が亜希子の体育着に触れる。そして体育着の上を捲っていく。


「や、やだ!やめて!」亜希子が声を荒げ、暴れる。しかし男子の力には勝てない。簡単に抑えられてしまった。


「文句言わずに、言う事を聞け。捕まったらヤるのがルールだからなぁ?」体育着に上を捲りきった。亜希子は上半身ブラジャー姿。初めてブラジャーを見る啓太はものすごく興奮している。鼻息が荒い。



「ブ、ブラジャーって…どー外すんだ?」啓太が外し方を考えている。



「ま、いっか。初おっぱい!堪能させてもらいまーす!」啓太が亜希子の胸を鷲掴みにする。「きゃっ!」と短く声をあげる。











「な、なぁ。胸…触っていい?」歩を押し倒し、向き合っていた。啓太とは対照的な純也は慎重に歩にそれを聞いた。むすっとした態度の歩。もうどうにでもなれ、そう思っていた。



「もう…好きにして」小声で歩は言った。その目にはうっすらと涙が浮かぶ。



それを聞いた純也は、緊張しつつも歩の胸を触る。








「お、外れた。やーっとブラジャー外れたよ」啓太はとりあえず胸を揉みその後もう一度ブラジャー外しに挑戦していた。数分用い、ブラジャーのホックを外すことに成功した。




ブラジャーを亜希子の体から離そうとした時、倉庫の外、化学準備室から音が聞こえた。そして誰かが倉庫出入り口のドアを蹴り開ける。




「はーい、男子たちー。そこまでー」


部屋に入って来た、女子1人。亜希子と歩は天使を見るような目で見ていた。そして名前を呼ぶ。



「「風香ふうかちゃん!」」


入って来たのは亜希子のもう1人の親友、風香ふうか。右手にはどこから持って来たかわからない竹刀を持っていた。風香は見た目からしてヤンキーで髪の毛は金髪、喧嘩は強いと言う噂が流れている。実際のところ強い。




「あぁ?誰だお前。こっちは今から楽しい事しようと思ってたのに、邪魔しないでもらえる?」亜希子から離れ、啓太が風香と向き合う。風香と啓太が会うのはこれが初めてだ。啓太はあの噂を知らない。



―あ…男子…お疲れ様でーす。


クスクス笑いながら心の中でそう言う亜希子。




「とりあえず、2人には手を出すな。出したら…わかるよな?」女子なのに男口調の風香。怖い。



「お前に指図されたくないね。俺らはルール守ってるだからさ。いいじゃん。な?」


そう言われた風香。竹刀を持つ手が震える。



そして、風香が竹刀を思い切り振り啓太の頭に思い切り当てる。剣道の防具を付けていても当てられれば痛いという竹刀。それを直に受け、痛がる啓太。



「いってー!!!何すんだよいきなり!」



「お前の言い方がムカついた。それだけ」


風香が哀れもない姿の亜希子と歩を見る。そして純也を睨みつける。それにビビり後ずさりをする純也。




「亜希、歩。行くよ」竹刀を肩に置く風香。




そして3人は男子を置いて倉庫、そして化学準備室を後にした。






鬼ごっこ開始からもう少しで1時間半が経つ。


女子生徒、残り 265人。

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