第2話 鬼ごっこ開始

2日後、体育館に集められた全校生徒600人。全員体育着に着替えている。男子たちはヤる気に満ち溢れている。女子たちはどんよりとしている。



時刻は朝の8時。全校鬼ごっこ開始まで1時間ある。それまでの時間は男子生徒達は女子をどのようにして捕まえるか、そしてどうヤるか考えている。そして女子生徒達はどのように逃げるかどこに隠れるか、話し合う。そうこうしているうちに、1時間が経ってしまった。





校長が体育館に来る。壇上には上がらず男性教員からマイクをもらう。そして、スイッチをつけ喋る。



「生徒諸君、いよいよ全校鬼ごっこ当日になった。男子生徒諸君、そして女子生徒諸君、準備は…出来てるかね?」



男子生徒たちが雄叫びをあげる。思春期もあり、性欲が溜まりに溜まっている男子生徒たち。「話はいいから、早くヤらせろ!」「鬼ごっこやろうぜー!」所々でそんな声が聞こえる。



「静粛に!」校長がそう言い、腕時計を見る。時刻は8時44分。



「そろそろか…」校長がつぶやく。



「8時45分になったら、女子生徒諸君はこの学校の敷地内、どこにでも隠れてていい。9時になったら男子生徒諸君を解放する。ルールは、一昨日言った通りだ。わかったな?」時計の針が8時45分を示す。そして、校長が言う。



「さぁ、鬼ごっこの始まりだ」




女子生徒達が体育館後にする。数分して300人が体育館を離れ、学校敷地内を歩く。ある女子生徒は女子トイレに隠れ、ある女子生徒は歩き回り男子生徒に備えている。









全校鬼ごっこ開始まで、後5分。男子生徒達は、まだかまだか、と待っている。男子生徒の中には部活に入っている者、入ってない者がいた。部活はいろいろな部活がある。この場合、ラグビー部や柔道部などが強そうである。野球部、サッカー部は足の速い人が多い。これらの面子を見る限り、もしかしたら残れる女子生徒はいないのかも、しれない。






全校鬼ごっこ開始まで、あと1分。男子生徒達が準備を始める。ピョンピョンと跳ねる人、手首と足首を回す人、指をポキポキ鳴らす人。準備を進める。




全校鬼ごっこ開始まで、後30秒。


男子生徒達が緊張し始める。




全校鬼ごっこ開始まで、後10秒。




男子生徒達がカウントダウンを始める。







5




4




3




2




1












0





時計の針が9時を示す。


男子生徒達が、一斉に体育館を飛び出す。女子達を探す。




ついに、全校鬼ごっこが始まった。

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