第2話[風のような少女]


「ん…」



ふと深い眠りから醒め猫耳をぴくぴくと動かしてながら伸びをして少女ニーナは布団から起き上がる。

フライパンで何かを焼いている妹ナナの姿とテーブルに座っている仮面の男ハイドフェイスを見て取り敢えず布団から出る、やたら涼しい気がしたが気にせずニーナはいつも通りナナに適当に朝の挨拶をする。


「…ナナおはよ~…」


眠気の取れないだらしない姉の声を聞いたナナは振り返り返事を返す、が。


「おはよお姉ちゃ…」


「…?」


「ばっ…ちょ!お姉ちゃん!」


顔を真っ赤に染めた妹に詰め寄られた瞬間目が醒めようやくニーナは自分の状況を理解する、夜中突然目が醒め二度寝しようとしたが寝心地が悪くてパーカー以外脱ぎ捨てていた事を。

服装含めだらしない姉にナナは呆れる。


「あ、そういえば」


「もう…せめて前は閉めて寝てよ…」


「だって寝心地が…」


「だってじゃない!」


仕方ないのでニーナは申し訳程度に下着を付けて戻ってきた。

戻ってくるころには朝食の目玉焼きが並べられていた。


まず座りまず少女がした行動は。



パァン!


ハイドフェイスに向けて銃弾を撃ち込む。

銃弾は仮面にはじかれる。


「いやなんで仮面がいるのよ。」


「い、今頃言うの?」


「いやぁ折角なので」


「何が折角よ」


「お姉ちゃんから戦った時のことをもっと知りたいからって朝早くに来たんだよ」


「ふぅん…まあいいけど」


少女はフォークを逆手に持ち目玉焼きを食べる。

まるでまだ上手くスプーンを使えない子供のようだ。


「戦ったときって言っても私戦闘中の記憶薄くて対して話せないわよ」


「あれほどの戦いを覚えていないとは…」


「と、言われても。」


ふと昨日の事を思い出すが、路地裏の奥にまでハイドフェイスを引き付けた事とその後家でツナごはんを食べハイドフェイスを帰らせて寝たこと以外は思い出せず、適当にあしらう。


「…話す事はないわね。」


「むぅ…」


「まあまあ、目玉焼きでも食べてお腹一杯にしてから考えようよ」


ナナは塩を目玉焼きにかけながら言う。

その表情は無邪気に遊ぶ子供のように明るい笑顔だが瞬間その顔は楽しみだった予定がなくなった子供の落ち込む表情のようになる。


「…塩が、無くなった…」


「残念ながらお亡くなりに・・・」


「いやそっちの亡くなったじゃなくて物が無くなる方の無くなったでしょ。」


「流石姐さん、的確なツッコミ!」


「というわけで、俺と結婚してください。」


婚約届を取り出したが念動力によって飛び回るナイフによって切り裂かれナイフは仮面に突き刺さった。


「するわけないじゃない、あんたみたいな変な仮面と。」


ニーナは生ごみを見るような目で引きながら言う。


「まあちょっとしたジョークなので気にしないで下さい。」


「はいはい、わーおもしろーい」


「…さすがに…辛いですよ…」


ナナは険悪な二人を心配そうに眺める、しかし彼女の脳裏に一つの話題が浮かぶ。


「取り敢えず、塩買いたいし、3人で出かけない?」




_______________________________________________________________


一方その頃、町の廃墟のとある部屋にて、黒髪のおさげの少女と数名の戦闘服に身を包み最新鋭のアサルトライフルを持った兵士が立っていた。


「あー!なんで私だけなんだよ!」


おさげの少女が怒りのあまり床を何度も踏む。

その怒りぶりに兵士は隣の兵士に疑問を投げかける。


「なあ、あんな子供…ってほどじゃないが、アイツが上から送られた特務員であってるんだよな?」


「あぁ、チームケルベロスのNo.2 コードネーム"ヴェロ" 優秀な兵士と聞くが、大の男嫌いらしい」


「なんでも3人組のチームなのに毎回一人で活動させられる事があるとか…」


「そこ!聞こえてるぞ!」


「申し訳ありません、ですが今回の作戦について何も聞かされたないので。」


一応謝る兵士だが詳細を聞かされておらず質問を投げかけるがヴェロと呼ばれる少女は面倒そうに答える。


「…取り敢えずお前らはこの女をこのポイントに誘導して」


地図と写真を指さす少女、兵士達は手を挙げ質問を投げかける。


「その少女の戦闘力については?」


「二丁拳銃、と…特殊な攻防一体兵器…とでも言えばいいのか…」


「は?」


嫌いな男どもに囲まれて細かい仕事を投げ付けられていた少女は怒りをぶつけるようにして言葉を吐き捨てる。


「出来るだけ距離を置いて交戦、ここにおびき寄せる、以上!私は次の仕事あるから、そこの資料読んで、さっさと行動して。」


「は、はあ…」


「それじゃ、よろしく。」


ドアを開け少女は出ていくとドアが閉まる


「…チッ面倒な事を押し付けやがって、雌犬が…」


「まあそう言うな、直接戦えと言われるよりマシだろう。」


陰口を遠くに聞きながら少女は目頭を熱くしながら走り去る。


_________________________________________________________


町を歩く三人組、一人は黒い尻尾を振りながら、一人は仮面をつけながら、一人は対物ライフルを背負っていい笑顔で歩いていた。


「あ、あの姐さん」


「…何」


「妹さん、随分物騒ですね…」


そこには対物ライフルを背負い買い物に出かけるように振る舞っている少女の姿があった。


「だってナナは傭兵だもの」


「物騒な姉妹ですね…」


「こんな場所じゃ、物騒になるしかないんじゃない?」


言われてみればそうだ、政府からの僅かな物資により廃墟だらけな事を除けば普通の町と変わらないが法などという物はなく歩けばどこかで銃撃戦が起き、店に入れば重装備の店員と少ない商品、おさがりの兵器が町を走り回り飛び回る、こんな場所ではよく漫画であるような普通の人間のような日常は送れないであろう。


そんなことを考えているとニーナが誇らしげに語り始めた


「ナナはね、"魔弾の黒猫"で傭兵含めこの辺りでは有名なのよ」


「へー、魔弾なんて随分たいそうな通り名ですね。」


「なんたってナナの撃つ弾は魔弾そのものだもの、今までで私以外外した相手がいない…」


「お姉ちゃん!恥ずかしいからその話はやめてよ~」


ナナは照れ臭そうにニーナの話を切ろうとする。


「えー、いいじゃない、自慢の妹の自慢ぐらい」


「だめ!」


「だめ?」


「うん」


「むぅ~」


「そこまで言われると逆に気になりますね、妹さんについて。」


「妹さんじゃなくてナナでいいですよ、ハイドフェイスさん。」


「会ってまだ少ししか経ってないのに呼び捨てというのは…」


「ナナって呼んでくれなきゃ教えて上げませんよ~」


腰を低くしてハイドフェイスを下から覗き込むようにしながらナナはそう言う。

ハイドフェイスは見上げてくる少女の明るい表情に思わず後退る。

思わず見とれてしまいふとボーっとしているとニーナがわき腹に一発パンチを浴びせてきたので現実へと引き戻される。


「調子のって手出したら殺すから」


「い、いやそんなつもりは…」


「さぁ、どうでしょうね~」


ニーナは不敵な笑みを浮かべながらナナの元へ歩いていく。


ハイドフェイスは悩んでいた、ナナを呼び捨てで呼んでもよいのか。

魔弾の黒猫、魔弾の射手から来てるであろうその名がついてる理由は非常に気になる、昔幼馴染に魔弾とは絶対に外れぬ弾のことと聞いていた。

それにニーナもナナがいれば俺を始末できるとも言っていた、実力の程は是非とも知りたい。


「あ、あのナn…」


いざ呼ぼうとした瞬間、腹部に衝撃を感じた、いやそれ以前に聞き覚えのある声が聞こえた。




「ししょ~!!」


聞きなれない声がしたと思いニーナとナナが振り返るとそこには金髪のニーナより僅かに年下ぐらいの少女がハイドフェイスの腹に突撃していた。


「ヒナ…その挨拶はやめろとあれほど。」


「だってししょ~昨日も今日も会ってないじゃないですか!心配なんですよ!」


突風のように現れた少女はハイドフェイスの仮面と同じデザインのヘアピンなどを付けている、小柄だが意外な事に見る限りナナ以上に胸はあるようだ。

ヒナと呼ばれている少女はふと周りに目をやりニーナを見るや否や。


「あなたね!ししょ~を…かどかわした?…泥棒猫!ご丁寧に尻尾生やしちゃってこの野郎!」


「…は?」


ニーナの瞳には明確な怒りが宿っている。


「いや、好きで生やしてるんじゃないんだけど…」


何か気に触れたのかその声は辛うじて理性を保つ怒り狂う獣のように聞こえる。


「ほ、ほらヒナ、事情は話すから取り敢えず謝りなさい。」


ヒナはどこか不機嫌そうな顔をしたがスタスタとニーナの前へ歩いていく。


「…」


「ごめんさい」


ヒナは仕方なさそうな顔で謝る


その時ニーナの中で何かが切れる音がした。


スッ…


「待って!お姉ちゃん!無言でデザートイーグルを出さないで!怖いから!超怖いから!」


謝る気のないヒナとニーナを止めようと必死に説こうとするナナとハイドフェイスだがそのやり取りを後回しにするように彼らの横をとある物が爆音を放ち通りすぎる。


ロケット弾だ。

上を見るとロケットランチャーを背負った兵士が立っている。


PzFast31 別名110mm携行対戦車弾発射器、各国で2031年に採用された使い捨てロケットランチャーだ。

ニーナはいち早く撃って来た方向へ手持ちの9mm拳銃SIG P226で威嚇射撃する


「…やったの?」


ヒナが呟く、しかし物陰から旧式のパワードスーツに身を包んだ男がリボルビング式のグレネードランチャーを構えて出てくる。


「…あれは抜けない…」


少女が呟くと榴弾が数発飛んでくる、それらは空中で炸裂し破片と爆風が少女達を覆う、が。


爆風と破片はスピードを急激に落とし走って逃げる少女達の元へは届かない。

2人のパワードスーツに身を包む兵士は唖然としていた。


「なんだあれは?」


「情報にあった攻防一体兵器、とやらではないか?」


「どっちにしろ我々の任務は誘導だ、いくぞ!」



ハイドフェイスがヒナを抱えナナとニーナは自力で走る、後ろからは以前銃弾と榴弾が飛んでくる、がニーナとナナの生まれつき持つ特殊な力により無効化される。


「はぁ…はぁ…走りながら集中して使うと疲れるね…」


「一体何をしたんです!」


「黙って走る、奴ら思った以上にしつこ……っ!」


建物の上に待ち伏せしていた兵士を見つけたニーナはすぐさま対応する、しかし致命傷は与えられず5.56mm弾の弾幕を浴びせられる、がナナの非常に強力な念動力によってその殆どが軌道を逸らされていく。



夢中で数十分走っていると人気のないまだ数十年前の人型兵器などの残骸の並ぶ場所に辿り着き、追手の姿もいつの間にか消えていた。


4人は取り敢えず物陰に隠れ一息つく。


「なんだったの~も~」


「…あんな装備はそこら辺で手に入るものじゃない、何者なんだ…」


ハイドフェイスは追ってきていた兵士達を思い出す、最新の突撃銃に軍の正規品の各種重火器、旧式とは言えこんな廃墟ではまず手に入らないパワードスーツ、政府の部隊、にしては動きが良すぎる。

ハイドフェイスの脳裏には疑問が尽きない。


「姐さんは何か知ってるんです?」


「…いや…まさかね…」


「姐さん、聞いてますか…?」


「うっさい!黙ってて!」


「え、えぇ」


「ふ、二人とも落ち着いて…ね?」


ニーナは妹には甘いのか渋々気味であるがそれ以上言うのはやめた。

取り敢えず周りに気を使いながら帰ろうと提案しようとしたその時だった。


「いいのか?冥土の土産に話さなくても。」


戦車の残骸の上におさげで白衣を纏った少女が立っていた。

その下には骸骨のような仮面を被った肥えている男とタキシード姿のハットを被った男と刀を持ったポニーテールの少女が立っていた。


「失敗作の癖に、随分生き延びるんだな」


「失敗作?」


ハイドフェイスは疑問だらけで思わず聞くかのようなイントネーションで呟いてしまう。


「そこのニーナは普通の人間じゃない、DNAを弄って作られたただの化け物だ。」


「なん…だと…」


ハイドフェイスの言葉も気にせずニーナは紅の瞳で相手を睨みながら煽る。


「その失敗作にこれからズタボロにされるわけだけれど?」


「…糞猫が…ニーナは殺して、黒髪のだけ生捕りに。」


そう言うと3人の雇われと思しき男女は散開していく、それに合わせて少女も下がる。


「おい仮面、そこのアホだけ守ってなさい、すぐに片付けてくるから。」


「は、はい。」


ニーナのクセ毛が持ち上がり猫耳になると戦車の所へ走りそのまま散開した連中の後を追う。

ナナは愛用のバレットM82A4 対物ライフルを構えハイドフェイスから少し遠い箇所で待機する、そのまま何か言おうとする。

が、すぐさま待機しているナナの元へ一つの影が向かってくる。


「はっはー!我が名はDIEダイマスク、その名の通り貴様に死をくれてやる!」



真っ先に現れたのは先程散開した仮面の男だった、彼は高らかに自身の名を叫びながら指を刺してくる。


ナナから見て左から来た男に対しナナはライフルの向きを変えずそのまま3発放つ。


「バカめ!どこを狙っていr…」


次の瞬間DIEマスクの手は対物ライフルの大型の弾頭に打ち砕かれその衝撃で吹き飛ばされる。


「!?…な・・・!?」


状況が理解出来ずそのまま足へと弾頭を受け左手と右足を失う、しかしハイドフェイスは確かに見えていた、ナナの周囲を飛び回るソレを。

冷静に考えてみれば簡単なことだ、念動力で相手の弾丸を逸らせるのならば、撃った弾すらもコントロール出来るのだと。

躊躇いすら感じないほどに残った一発は相手の脳天を仮面ごと吹き飛ばす。


「こ、これが…魔弾か…」


明るく振る舞っていた少女からは想像もつかないその戦いはハイドフェイスが状況についていけていないヒナに気付かない程の衝撃であった。


「くそっ…こっちは生かせと言ったのに」


白衣を着た少女がナナの元へと駆け降りる。

ナナは再び銃弾を放つ、12.7mmの弾丸は少女の右手を狙うように飛んだが少女の右手が袖から見えたと思った瞬間爆発が着弾直前の銃弾を覆う、少女の右手からは砲身のような物が出ており爆風は手の向く方向のみになっていた。


「…や、やりますね…」


ナナの表情に焦りが見える、対する少女は少々余裕そうな表情を見せてくる。


「本気で行かせてもらいますよ」


ナナに猫耳と尻尾が生える、猫耳はニーナと同じようにくせ毛が、尻尾は突如生えたように見える、ナナはニーナの走ったほうへ耳と目を向けると、一発だけ放つ。

それと同時に少女は45口径拳銃ジェリコ945を放つがその全てが空中で停止している。


「…さ、さすが、奴らが最高傑作なんて言ってただけの事はあるわ…」


「その炸裂するのと私のライフル、どっちが尽きるか」


「「勝負…!」」


銃撃音と爆音が鳴り響く

____________________________________________________________________


一方その頃ニーナは刀を持った少女を匂いを辿って追う、タキシード姿の男の軽機関銃の弾幕が妨害をしてくるがニーナならば多少は避けられる。


「邪魔ね…」


そう呟き先に始末するかと銃撃の止まった隙に狙いを変えようとした瞬間、追っていた少女が凄まじい速度で居合をしてくる、ニーナは辛うじて銃で受け流す、銃の塗料は剥げ刃は削れながら火花が散る。

 反撃しようとするも軽機関銃が再び雨を浴びせてくる、相手の少女を見ると普通に避けているように見えるが付近を通る弾丸は妙な軌道で飛んでいる。

 試しに数発撃つがそこだけ風が強いかのような軌道で弾は逸れていく。

ふとハッとしたようにしてニーナは少女に問いかける。


「…質問!」


ニーナの問いかけに少女は小さく呟く。


「なに」


「貴女、ただの雇われじゃないわね。」


「そっちこそ只の殺し屋じゃないでしょ」


居合ではなく突き気味に切り替えてくる少女、対するニーナは念動力でナイフを飛ばし上手く弾きながら手にナイフを移し、ギリギリの速度で弾いていく。


「…気にかかってたけど、妹と似た匂いがするの」


「そんなことより動きがさっきより鈍ってるけど?」


「っ…!」


ニーナには本人はあまり気付かない特徴がある、普段と戦闘中で瞳の色と他人に対する態度が違うのだ、二重人格と呼ばれる物だろう。

普段は相手によって態度に裏表があるものの妹想いの少女、いざ仕事で標的と戦闘になると躊躇いの無い戦闘狂。

普段のニーナと多少手を抜いているが的確に相手を捉えている少女の動きの差は誰が見ても明白であった。


「まったく、何をおしゃべりしているんだか、まあいい」


タキシード姿の殺し屋スリープスは軽機関銃の再装填を終えながらぼやく。


「悪いが報酬は俺が頂くぜ」


男は逃げ場を無くすためではなく、確実に相手を仕留めるために狙いを付ける。


「さよならだ…子猫ちゃん…」


それが彼の最後の言葉だった、つい先ほどナナがニーナの居る方角に放った銃弾は的確に彼の頭を撃ち抜いた。

少女はそれを横目に見ると横に倒れこむように動いた、かと思うと既にニーナの背後を取っていた。


ハズだった


ニーナの持つ拳銃の銃口は少女を捉えていた、放たれる銃弾は流されるように逸れていく。


「これでやっと本気で戦える」


少女は拳銃を取り出し撃つ、がニーナはそれを逸らしながら避ける、が避けた先へ少女は切りかかる。


左手で受けるが刃は骨まで達し服は赤黒く染まり刃を血が伝う。

しかしニーナの表情は歪まない、切れなかったので少女は銃を撃ちきりながら距離を置こうとするがニーナは右手の拳銃で追い打ちをかけるが拳銃を撃ち抜くのみとで銃のスライドは下がり切り弾倉は空となっている。


「・・・これじゃ左手は使えないわね」


「それなら…一気に…」


少女は刀を鞘へ納め居合の姿勢を取る対するニーナは銃を投げ捨て虎の子のデザートイーグルを取り出す。

鞘に電流が走る、銃の安全装置が外される。


バァン!


放たれる銃弾


膨大な電流が鞘に流れローレンツ力によって刃が目にも止まらぬ速さで抜かれる。


摩擦熱と電流の熱で赤く光る刃は螺旋を描きながら飛ぶ50AE弾を的確に捉える。


ギィィン!!


弾丸は弾かれ刃は折れる、空中に放り投げられた刃は数回ほど回転しながら地面に刺さる。


少女は静かに刀を鞘へ仕舞いニーナは拳銃を下げる。


「…撃たないの?」


「武器を持ってない奴と戦ってもつまらない」


「…そう」


少女はニーナの横を通り過ぎるように歩く。


「貴女、名前は?」


ニーナは問いかける。

少女は振り向きもせず呟く


風香ふうか、風の香りって書くの」


「…ごめん、私文字って言うのよくわからないの」


少女は苦笑いをしたように見えた。

さて、ナナのもとへ向かわなければ、そう思いニーナは走る。

少女は走っていくニーナの足音が聞こえなくなると小さく呟く。


「また会えるといいね、ニーナ姉さん。」


残骸の山へと少女は消えた。


to be continued…


_____________________________________________________________________


<登場人物紹介>


・ヒナ

ハイドフェイスの弟子の金髪幼女、他キャラと比べると巨乳。

過去に戦うハイドフェイスを見て以来彼の後ろを付きまわっているらしい。

弟子を名乗りハイドフェイスも渋々容認しているが殺しに関しては全くのド素人で殺しは未だしていないらしい。

年相応の元気な女の子だが少々態度が悪い。


・ヴェロ

組織と呼ばれる集団のチームケルベロスの一人。

大の男嫌いで部下からは不評気味、片腕が義手で武装を内蔵している。

理由は不明だが脱走したニーナを酷く嫌っているらしい。


・風香

ポニーテールの少女、刀を振り回している。

睡眠不足なのかクマが目立つ、どこか上の空な少女。

ニーナやナナを詳しく知っているらしいが理由は不明。

ニーナとは違う何かしらの力を持っているとされる。


・DIEマスク

殺し屋


・スリープス

殺し屋


<用語解説>


TLA(人型兵器)

・火星軍が最初に実用化した大型パワードスーツの総称


AR-2032A4 (別名:32式小銃)

・最新鋭の突撃銃、各国での共通規格、拡張性が高くバレルなどの換装で使用弾種や用途を変更可能。


PzFast31(110mm個人携帯対戦車弾改)

・市街地での運用を想定しバックブラスト対策にカウンターマスなどを取り付けた品


IAGL-32 32式空中炸裂制圧銃

・エアバースト機構を備えたリボルビンググレネードランチャー、信頼性の高い構造と合わさり各国で採用されている。


・40式パワードスーツ 繊甲(せんこう)

政府の開発した暴動鎮圧用パワードスーツ、旧式の38式に変わって開発されたがまだごく一部にしか配備されていない。


・電磁バリア爆発操作機構(ElectricBarrierExplosionControlSystem)

爆風制御用の電磁バリアシステム、ヴェロの片手に内蔵されている、カートリッジ式の爆薬の爆風をコントロールし敵の攻撃を防ぐ試作品。



_______________________________________________________________



あとがき


 書 き 直 し た 


なんであんな展開にしたのか自分を24時間問いただしたい。


取り敢えず基本前と変わらずできるだけ”本来”←ここ重要 やりたかった展開でやってみた。

まあ読んでわかる通り風香戦を超手抜きしてました、はい、すみません。


次からはこんなことのないようにしていきたいです。




取り敢えず出てきたキャラの簡単な解説とか


DIEマスクなんですけどその昔風香とスリープス共々描いた適当な敵ボスっぽいの。

完全な雑魚になってしまったのには理由があって、こいつの戦闘方法が

相手を指指す、「ダァ~イ」と叫ぶ、までしか考えてなかったのと変に強くても困るので。

不気味に笑った骸骨みたいな仮面だったのは覚えてるが描いた紙はどこかへと消えた。


スリープスはなんかダンディな男描きたいと思ってDIEマスクと共に描いただけの奴

正直設定をまったく考えてなかった。


正直かませ犬2人でナナのやばさ加減を出すのとキャラお披露目回にしただけ感が俺の中にある。

取り敢えず反省もしたので次回予告っぽいのでも




左手に重症を負いながらも妹の元へ駆けつけるニーナ

そんな彼女を見てついにあの男が動き出す!

ついにデレるかニーナ!?

そして新たなる刺客とは?



次回 [姉妹の絆]


適当に気長にお待ちください!






ずっと気にしてるんだがこの次回予告実際どうなんだろ?居る?

その辺のご意見とかは是非とも是非!頂きたい。

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