マテリアルチェンジ

@nikora

第1章現代編

第1話

「うわーーーーーー!!」


ドサ!バタ!


少し高い所から転げ落ちた様だ

下は地面?土なのか?


「イテテテ、ここは何処だ?」


辺りは暗くて良く見えない、ただ木の匂いがする。もう一度辺りを見回すと500m位先に

光が見える。


「行ってみるか。」


目が慣れてきた。ここは木が多く20m位ありそうな木が沢山あった。やっと広い所に出たと思ったその時


通行人カップル「!?」

ベンチのカップル女の子「あれ見て!」

ベンチのカップル男子「あ!凄い凝った

コスプレだなぁ。」

別のカップル女の子「黒目?に瞳が金色に光ってる!」

別のカップル男子「ダークエルフの

コスプレだな。」


「ここではダークエルフの姿は目立つようだ。」


俺は直ぐにその場から離れた。

この格好では目立つか、やっぱり褐色の肌にビキニアーマーみたいなのではなぁ、それにしても未だにダークエルフの姿には慣れない。

俺はもと居た場所に戻って行った。思い返すと、人に出会した場所は、どうやら公園の様だった。それと共に先からこの体の持ち主が、黙り続けているのが気になっていた。


いつも話し掛けて来るのに・・・


「に、しても先から黙りこくってる、この体の持ち主のガラナさん!」


返事は返って来ない。

俺は続けて呼んだ


「おーい!ガラナー!」


いつも脳内から話し掛けてのに返事は

ない、それに状況も良く解らないし。


「そうだガイバーンを呼ぼう。」


俺は、可変宇宙戦闘機ガイバーンを呼ぶ事にした。

ガイバーンを呼び出すには専用のブレスレットが必要だ。そのブレスレットはガイバーンを物質化すると共に、ガイバーンを構築する為のデータが入っている。

さっきの衝撃でブレスレットが、壊れてないか確かめた。


「壊れてないな、現れろ!ガイバーン!」


ガイバーンは目の前にいつもの様に、光と共に無数の粒子から構築され、実体化していった。


「どうした?ゆう坊。」


「その呼び名は止めろって

いつも言ってるだろ。俺は勇太だ!

空渡勇太そらわたりゆうただ!」


「ガハハハハハ。」


いつもの様にダンディーな声でからかはれた。まあ、このやり取りはいつもの事だ。


ガイバーンはAIを搭載した可変宇宙戦闘機だ。用途により人型機動兵器ストライクランダーに変型する。全長20m、ダークシーグレーの機体だ。

こいつは武装強化型の偵察機を、XSRV用にカスタマイズした機体だ。XSRVとは俺が所属している特務部隊の名称だ。通称ジサーブ。


それと、ガイバーンって名は俺が付けたパーソナルネームだ。


「しかし、ここは向こうの世界とは違う様だな。」


ガイバーンは言った。


「うん、どうやら人間が生活して居る様だなそれに人の格好が、歴史の授業の画像で見た様な・・・。」


「ネットに繋がらない今では調べ様がないな。」


「という事は、やっぱり元の世界じゃ無いって事か。」


「未だ解らないぞ、何らかのトラブルに見舞われて居るのかも知れないしな。」


「調べて見よう。」


プシーーーー!

ガチャッ!


ガイバーンはハッチ開けた。俺はガイバーンに搭乗し、ハッチを閉めた。


「宇宙へ上がれば何かしら解るかも知れない。宇宙が在ればな。」


と、俺は言った。

前の世界では上空に行ったら宇宙が無かったからだ。


「勇太、発進するぞ。」


キィーーーーーーーン!!

ズシューーーーーン!!


俺達は夜空の空を、雲を突き抜け更に上昇

して宇宙に出た。


「青い惑星、地形から分析すると、どうやら地球の様だ。」


とガイバーンは言った。


「ああ、地球に戻って居たのか。衛星学園は?艦隊は?」


思えば変な関西弁を話す、マイヤー隊長からの「行って来いやーボケー!」の命令から

衛星学園の潜入調査が事の始まりだった。学生の失踪事件に何故、軍が関わるのか疑問だった。

オカルト研究部のミナリは、助かった

ろうか。

向こうの世界で一緒に戦った、ユニコーン族のエルティナ達はどうなったろうかと、思いに更けていたその時、ガイバーンが言った。


「勇太、レーダーに反応がない。

通信を試みだが、通信にも反応がない。」


「もう一度試してくれ。」


「既に何度も試みたが、反応は無かった。」


「・・・・・俺達は一体・・・何処へ来てしまったんだ。」


「勇太、・・・もしかすると過去か未来の地球かも知れない・・・・戻ろう、戻ってあの辺りを調べよう。」


「くっ、・・・そうだな、戻って調べよう。」


俺達はさっきの場所に戻り、辺りを調べ

初めた。あ!またダークエルフのままフラついて居ると、騒がれて終う。ガイバーンに適当な服を変換して貰おう。


「ガイバーン・・・・あれ?ガイバーン?何やってるんだ?」


「フン!どうだ、力こぶしだぞ!」


「お前、メカなんだから筋肉無いから力こぶしなんか出来ないだろって、あるんかい!」


良く見たら二の腕に土が盛ってあった


「そのネタの為にわざわざストライクランダーになったのか。ハハ、ありがと、お陰で少し元気が出たよ。」


「ガハハハハ、くよくよするな勇太、成せば成るだ。今までだって何度も成し遂げて来ただろ。」


「そうだ、そうだったな。」


ガイバーンは慰めてくれた。


「ガイバーン、あの男の服装を解析して、ガラナの服からマテリアルチェンジしてくれないか。」


「女の子にあの男の服は似合わないぞ。」


「女の子って、あ!今は女だった。ダークエルフだけど。」


「仕方がない、オジサン良いのを見繕って挙げよう。」


「何処のエロオヤジだよ!」


「勇太、あの白い服を着た子のはどうだ?」


「あんなヒラヒラの奴恥ずかしくて嫌だよ!」


「仕方がない、あの黒いレザーのはどうだ?」


「あれなら未だ増しか。下がミニスカートなのが気になるが。」


「目覚めたのか?」


「お前が選んだろが!まあ後は目が目立つから、あの男のサンクスは解析して物質化して転送してくれ。」


「了解」


ガラナの服が光と共に無数の粒子分解して、あの女の子の服に成った。サングラスは光と共に粒子が集まって俺の顔に物質化して装着した。


「勇太その格好、露出度の高い

ター〇ネーターみたいだぞ。」


「ほっとけ!」


「勇太、いっそそのダークエルフの体を勢太の体にマテリアルチェンジした方が!?」


「だめだ!!」

俺はガイバーンが言い切る間に言い放った。


「マテリアルチェンジは未だ、不明な点があるまま使っているんだ。だから応用技術の人体のテレポーテーションが、未だに出来ないんだ。物体なら大丈夫だが。だからダークエルフに使った時どうなるか解らないし、彼女が彼女で無くなるかも知れない。」


「あ~ら、あたしの事心配してくれるのかしら?」


「!?、この軽い口調の少し低い声はガラナ!」


俺はビックリしたと共に嬉しくて堪らなかった。

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