1月7日  七草粥

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 さて、本日2017年1月7日は『七草粥ななくさがゆ』について語ろうと思う。

 語るに当たって、私から諸君らに謝罪せねばならない事がある。だが、今はそれは置いておいて、七草粥を紹介しよう。


 七草粥とは、その名の通り春を代表する七種の雑草をぶち込んだ粥である。前日にそれらを歌いながら包丁で叩き潰し、当日の朝に粥に入れてぐつぐつと煮込む。西洋の魔女を思わせるなんとも狂気じみたイベントであるが、その粥を口にすればなんでも万病を払えると言う。

 雑草と言ったが、流石にそこらに生えている草を放り込むわけにも行かず、ちゃあんと7種、入れる物が決まっている。

 せりなずな御形ごぎょう繁縷はこべら、仏のほとけのざすずな蘿蔔すずしろの7種である。

 なかなか八百屋でも見ない名前だろうが、すずなとはかぶであり、すずしろとは大根の事である。


 さて、是非とも食して見てほしいと言いたいところだが、実は私はそれを諸君らに強くは言えないのである。実は私、いずくかけるは、今までの人生で七草粥を食した事が無いのだ。申し訳ない。

 で、あるからして、味の事も、七草粥エピソードも語れない。今から24時間営業のスーパーに行ったところで、それら7種は手に入らないだろう。


 なのでここからは想像の話である。


 七草粥はものすごくおいしいです! 体にも優しいし、正月のおせち料理で疲れた胃を癒すにはもってこいです!! 子供の頃から大好きでした!!




 今日は七草粥、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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