第28話 光と闇の結

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。


不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。


先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?


なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!


光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね! 光と闇が揃ってしまったことにより、純粋に不幸を福の神が食べ、幸福を貧乏神が食べるというのが小ネタになってしまった。新展開に向け、新キャラを大量生産していく!?


承。


「あ、雨だ・・・なんて、不幸なんだ・・・。」

「貴様の不幸、頂こう!」


ペロ、ア~ン、パク、モグモグ、ゴックン。


「おいしかった。」


これが俺、光リエと福の神の福ちゃん。不幸な雨は青空に変わった。


「あ、晴れてきたはわ! ラッキー!」

「エリちゃんの幸せ食べます!」


ペロ、ア~ン、パク、モグモグ、ゴックン。


「おいしかった。」


これが私、闇エリ子と貧乏神のエリザベス。幸福は貧乏神と分け合った。


「見事に小ネタになったな・・・。」

「そうね、冒頭のツカミはOKね!」


福の神と貧乏神の憑りついた人間同士がカップルになったら、不幸も幸せも中和されてしまった。


転。


「見事に福ちゃんとエリザベスの個性が死んじゃったね。」

「これからの展開はどうするの?」

「俺とエリがつきあったから、福ちゃんとエリザベスの存在価値が下がったんだよ。」

「なんて、罪な2人!」

「ね~!」


ラブコメ=バカップル?


「私たちは、食いッパぐれないくらい、ご飯が食べれればいいよ。」

「そうそう、何もしなくても、不幸と幸福は集まって来るんだから、大丈夫。」

「ダメよ、エリザベス! そんなんじゃ出番が無くなっちゃう!」

「そうだぞ! 福ちゃん! モデルチェンジしなければ!」

「モデルチェンジ!?」

「貧乏神と福の神に、そんなもんあったかしら?」

「キングラッキーとキングボンビーになるんじゃない?」

「それ使っていいのかしら・・・。」


モデルチェンジもオリジナルを考えるって大変。


結。


「発表します! 俺は光の幸福を使える福の神使いに!」

「私は闇の不幸を使える貧乏神使いに! それぞれモデルチェンジします!」

「ええ!? 福の神使い!?」

「エリちゃんが貧乏神使い!?」

「そうだ!」

「そうです!」

「貴様なんかに使われたくないな・・・。」

「エリちゃんなら、いいよ!」


4人トークも大変だな。


「さらに発表します! これから、どんどん他の神を登場させます!」

「憑りつき先の人間は未定です!」

「まさか・・・!?」

「これって・・・!?」

「私たちの出番が減るってことじゃ!?」

「そこかよ・・・。」

「ツッコミところが違うでしょ!?」

「ごめん。アハハ・・・。」

「これは、もう4人ではストーリーの展開が完成してしまい、話は、海とか山とか場面を変えるだけで、同じことの繰り返しなので、新キャラをどんどん出さないといけないということね!?」

「新キャラを出さないと、話が広がらないのよね~。」

「分かる、分かる。」

「アニメ見てても、だいたい、そんな感じで話が展開してるわよね。」

「あれって、新展開じゃなくて、現状のネタ切れ限界からの~だったんだ。自分が作品になって初めてわかる。」

「雑誌の連載がアニメに近づいて、延命する作品よりはいいよね。」

「同じことを10年、20年も続けて、許されるロングセラー作品になりたいわ。」

「おい、おまえら・・・。」


それは無理です。


つづく。






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