時刻は06:00。部屋はまだ暗く外を見ると曇り空だった。

「眠い……」

結局リストカットをしてから眠ってしまっていた。

手首から流れていた血は止まりどす黒い赤の瘡蓋が出来ていた。

「準備……はいいや……今日どうせ体育だし……忘れてこ」

俺は体育が嫌い。集団行動を強制させ、皆仲良くやりましょうみたいな考えの学校も嫌い。いじめられる原因を作っていたのも学校。俺に死にたいと思わせたのも学校。

どうせ、行っても行かなくても変わらない。

死んでも死ななくても変わらない。

そう考えるとなんか……

「イライラするな……」

そう考えながら着替え、自分のことがアホらしく思え、なにも考えず、なにも感じずに過ごせるように、ただただ人形のように



















「優月!あんたいつまで寝とんの!さっさと起きーや!」

親が部屋の扉を蹴り開けてくる。

「うるっさいな!もう起きとるわ!」

「親に向かってうるさいってなんやねん!」

うざい、その言葉だけが頭の中を埋めていく。家族なんてクソくらえ、と。

一刻も早くこの家から出たい、そう考えながら靴を履き、自転車を乱暴に漕ぎ、学校に向かう。









いつになったら自分の素を出せるのか、歪んで、狂って、死にたがりな自分を

「誰か殺してほしいな……」

無意識でそんなことを呟いた。

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