僕っ娘が織りなす三世代続く家族愛×異能バトル。母を救うのは誰?

 始まりはヒロインの幼少期から。変質者に襲われそうになった小4のヒロインは、魔法少女よろしく(律儀にランドセルを下ろして)立ち向かいますが、そこで大惨事を招いてしまいます。
 続いては、ヒロインの両親のなれそめ。美人傭兵のマリアに友人を探して放浪する伊達男ウルフ。
 映画のように運命的、情熱的な出会いを果たし、戦場から身分を隠す為に日本に移住。愛娘美舞をもうけます。
 そして成長して(とはいえ小柄)高校生になった美舞。
 自分のことを僕と呼び、のちの親友日菜子と出会います。
 入部希望になぜか男子空手部を選び、その門を叩きますが――――。

 全編に擬音、オノマトペを多用した文章、テンポのいい文体でスムーズに読み進められます。
 両手の甲にはっきりとある痣。それは何を意味するのか。それが解明されたと、き新たな異能の力が、謎が解かれていきます。
 そして作中を通して語られる夫婦、そして惜しみなく注がれる子供への愛。
 その絆こそが、この作品の最大の強みです。
 テンポよく進む舞台変化にも注目です。

 (ハイジ部。入ってとろけるチーズ、食べたい……(-_-).。o○0〇

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