七振目 刀による傷は刀創と
刀で斬られた傷を、特に刀傷と呼びます。大きな血管が斬られた場合は別でしょうが、軽く斬った場合は直ぐには出血しません。
実際に体験した感じからしますと……斬った瞬間に軽い痛みはありますが、直ぐ痛みは消えます。斬れた辺りは血が引いて肉が白くなります。斬れ加減によっては骨さえ見えますが、それでも痛みはないです。やがて斬り跡に沿ってジワッと紅くなりだし、珠のように血が湧きだします。
こうなると出血量はとても多く、絆創膏では抑えきれず圧迫止血が必要です。大きい傷であれば病院に行くべきです。
概ね痛くなるのは翌日以降でして、治りかけの時は疼痛がします。他の傷とは痛み方が違い、ズキンズキンではなくて、ピリピリやチリチリと神経に障るように引きつる静電気系の痛みでした。
斬り口の癒着は早いのですが、内部の痛みはこのように続きます。
例1:納刀時に指股を斬る感触があったものの、見ても血が出ていない。安心して歩いてると手が妙にヌルヌル。改めて見ると手が血まみれ、足下に血だまり。医者で縫われる時の方が痛かったぐらい。
例2:腕を削ぐように斜めに斬る。強い痛みはなく、気付くと出血。切断面が綺麗なので医者も縫うかどうか迷うぐらい。傷口を固定し一晩様子をみる事になり、翌日確認すると癒着していたため、縫わずに終了。
例3:耳と顔の間の毛の部分をざっくり縦に斬る。痛みは大した事ないが、出血が多いので圧迫止血。肉がめくれる状態でしたが、翌日見ると少しズレても癒着していたのでそのまま放置で終了。
概ね怪我をした本人は平然としており、むしろ出血を見た周囲の方が大慌てとなる事が多いです。こんな時に人間性が出まして、怪我人を前に大騒ぎして狼狽える人、野次馬根性で見に来るだけの人、テキパキと応急処置の準備をする人。様々です。
※必ずしも癒着するとは限らず、また化膿する場合もあるため、怪我した場合は極力病院に行きましょう。
※経験はありませんが指などを切断してしまった場合の処置です。切断物を氷で冷やすのが鉄則ですが、氷水に直接入れてはいけません。そうなると体液が流出しふやけ、接合が不可能となります。清潔なビニール袋に切断物を入れ、その袋を氷水に入れ大至急病院に行きましょう。
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