ヒトが恋しくなるお年頃。

幽谷澪埼〔Yukoku Reiki〕

第零戦

ピチャンッカツカツカツッ

「…………オイ●●●は居るか!?」

「………………………五月蝿い、お前の声は千ヤード先からでも、充分聴こえてる……」

「どういうこったありゃあ! 人類が最強なんて誰が決めたんだよ!?」

「………………………俺に騒がれても、困る。そもそも、闇の化生である、俺らが……彼らの前に姿を現すのは、逢魔ヶ刻からだろう……」

「ンなこたァ知るかよ! 地球上最強なのは俺達、吸血鬼ヴァンパイアなんだよ!!」

「………………………俺相手に、啖呵を、切るな……」


薄暗い地下洞窟でとある男性と青年が話していた。……イヤ本当にそうなのだろうか?

今男性は『吸血鬼ヴァンパイア』と言ったでは無いか? 青年は『闇の化生』だと言ったでは無いか?











………………………………ならば彼らは何なのだろうか?











そう、彼らは…………




「前置きがなげぇよ!!」

「…………………………端的に言えば、妖や化け物の類、です」

「お前は声ちいせぇよ!!」

「…………………………アンタが、デカ過ぎるんだ。少しは、抑えろ、デカブツ」

「ンだとゴラァ!?」

「…………………………るのか?」

「…………チッ決着は『▪▪▪▪▪▪▪』で付ける」

「…………………………なんだ殺らないのか。まァ良いが……」


そう言い合って彼らは闇夜の中に消えていった。

不吉な言葉を遺して……









「……………『地球上最強大会』で決着ケリを付けよう」



そう一言残して消えていった。


その不穏過ぎる言葉は後々世界を大きく揺るがす事になる。

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