本に入る空想を、したことあるひと手を上げて。

ただしこれは遊びで無いことを、よく考えてくださいな。

本の修復士サミュに手を引かれ(規則だから仕方ない)新米のアルバイト助手セレスは本の中へと入り込む。

ただし、本は傷つき病んでいます。お仕事なんです、これは。

書き手の手から離れ、ひとつの個として成り立つ本には、それぞれ伝えたい事がある。それが、こちらの意に添うものとは限らない。


生業だから治す、修復士の才があるから治す、そんな修復士の中にあって、才のないセレスがもっていたものとは。そしてセレスに関わる中でサミュに訪れる変化とは。

ってね。

ぐうたらサミュと生真面目セレスが開き、開き、向き合う九編四十八話の物語。


感極まることもございましょうが、館内はお静かに。

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