競うひと


 とある祭では気に入った店に花をつけて花の多さを競う催しが行われていた。

 初の順位発表の日、あなたは、祭の入口の掲示板の前に立っている。


 掲示板の上の『優秀な店に賞金!』の文字、その下の順位、あなたの店はその中になかった。


 あなたは上位の店を見に行ったが、納得出来なかった。自分の店は負けていない。

 そこであなたは考えた。どこで?


 そう、自分の店の前で。


 上位の店と自分の店の違いは何だろう? 少し分かり難かったのだろうか? それとも派手さが足りなかったのか?

 こうして改良を終えたあなたは、人を呼びに行った。見てもらえれば分かるはず。

 自分の店を知らない人はまだまだ沢山いるのだから。


 こうしてあなたは、数え切れない人に声を掛け、掲示板に表示される順位になった。

 すると順位を見た多くの人がやって来て花をつけてくれた。

 しかしまだまだ上がいる。もっともっと目立たなければ。


 あなたは、多くの人を呼んできて競う人になった。

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