第6話 メゾポタミアのグルメと新年祭

 4大文明の一つ、メソポタミア文明ではどんな物を食べていたのだろう。


・メソポタミア文明について

 メソポタミアとは、川の間を意味し、ティグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域を指す。ちょうど現在のイラクにあたる。メソポタミアの南部では紀元前3500年ごろから大村落が栄え始める。

 メソポタミアで最初に活躍したのはシュメール人で、前2700年ごろまでに、ウル・ウルク・ラガシュといった都市を建設し、なにより楔形文字を発明し、粘土板にその歴史を記した。

 さらに、シュメール人は青銅器や彩文土器をつくっている。さて、こんな超古代のメソポタミアでどのようなものが食べられていたのだろう。


●主食

 パン(ライ麦パン)

 パンは醗酵させずに、自宅の粘土釜などで焼いて食べたらしい。硬そうなパンである。


●飲料

 水、ビール(ライ麦)、ワイン、ヤシ酒

 なんとビールをすでに飲んでいたのだ。人は文明が成立して以来ずっとビールを飲み続けているのか・・。


●おやつ

 ケーキ!

 ナツメヤシとピスタチオのケーキは粘土釜で焼いて、祭日などに食す。


●果物

 イチジク、ざくろ、カリン、ブドウ、リンゴ、ナシなど。

 これらは、ドライフルーツにして保存されることもあった。


●油

 植物油、動物油

 植物油はオリーブやゴマなどからとり、ランプの燃料にも使われていた。


●香辛料

 ヒメウイキョウ、コリアンダー、サフラン、ミントなど。

 インドネシア産の丁子(ちょうじ)もみつかっているらしい。


●野菜

 主な野菜はたまねぎ。

 にんにくやソラマメ、レンズマメ、エンドウなどの豆類。

 ウリやレタスなどのビタミン類。


●肉

 肉は貴重だったが、不潔とされた豚は安く、日常の食卓にのぼることもあった。

 鳩、鴨、鷲鳥などは狩りで採取。

 羊、ヤギ、牛は貴重で祭日に食べられた。


●卵・乳製品

 紀元前1000年ごろには鶏がすでに飼育されていた。

 ミルクも食用で飲まれており、ヨーグルト、バター、チーズなどにも加工され食べられていた。


 一覧をならべてみたが、なんとまあ、グルメですなあ。この時代にはすでにピザなんかも作れるだけの材料が全てそろっており、食されていたのだから。

 しかし、自宅に専用釜を持つなんて、現代日本人には贅沢な話だなあと思いました。

 祭日には甘いケーキや牛肉などをほうばりながら、チーズをつまみにビールを飲んでいたようです。古代メソポタミアのグルメは恐るべし。



●祭りについて

 ウルクでは、月に一度大きな祭りが行われていて、アヌ神の像の前に18個の金の壷を安置し、盛大な食事を祭る。その内訳は、


■金の壷の中央に、大麦ビール 3つ

■その右側に、ラブクビール 4つ

■その左側に、ラブクビール 4つ 大麦ビール3つ

■金の壷の左側に、ミルク入りのアラバスターの壷

■ミルクの隣にブドウ酒の壷4つ


 そして、飲み物が終ると、同量の肉が用意され、そのあとは果物といった感じで......すんごい豪勢であった。

 この月に一度のお祭りは、新年のお祭りが一番盛大なものになっていて、通常は一日なのだが、新年は12日も行われる。


●新年祭

 通常は1日の祭りが12日間も行われる。超大規模な祭り。

 これは、ただのお祭りではなく、国家生活全体にかかわる重要な意義を持つ宗教・政治色の強いお祭りであった。

 この新年のお祭りで最も重要なことは、神官による今後一年間を予測する儀式と王によるマルドゥク神への奉納の儀式であった。

 この二つは国家存続にかかせない儀式として、特に盛大に行われた。

 この祭りの間は法律さえなくなるのだ!


■身分の違いがなくなる

■裁判の判決は下されない

■親は子供を罰しない

■日常の仕事は全て休み


 こいつはすげえっすね。こんなことしてて、外敵から身を守れるのか不安で仕方ありません。

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