第47話対抗手段

 それからというもの、レムの大活躍によりゾンビ系統の魔物はレムが戦うこととなった。

 一応、レベルを上げたかったオレは戦ったし、レベルも上がったのだが、全く戦うこたなく見ていただけのフローラはレベルが上がりにくかった、幻惑魔法を二人にかけたままということもあり少しだけレベルが上がったようだ。


 魔将級になった影響か、魔物に対して親近感を覚えた、というか最近はレベルが上がるにつれて魔物として1面が怖くなることがある。

 殺し合いだと言うのに、楽しいと思うときが多々ある。


 オレのレベルとステイタスもこういった感じになった。


 名前 ミヤマ リクト


 称号 魔眼保持者、牛殺し、早熟せし者、魔将級


 レベル 131→139


 HP  7091→7516

 MP  9596→10752


 ATK 6691→7248

 DEF 6783→7315

 INT  6378→7149

 RES 6719→7509

 HIT  6379→7094

 SPD 7213→7946



 《個体名:三山 利久人

 種族:異端の半吸血鬼アウトサイド・ハーフヴァンパイア

 種族能力:恐怖支配 A 殺気凶悪化 A

 身体能力増加 S 憎悪倍加 S


 個体能力:斬撃耐性 A 打撃耐性 S

 短刀術 SS 切断耐性 B 剣術 A 酸耐性 A


 解放能力:魔法多重起動 魔力操作


 魔物能力 ドレインタッチ 水流操作 剛力 聴覚鋭敏 糸操作 糸強化 毒付与 

 毒生成 糸生成 麻痺毒付与

 自動MP回復 悪魔召還 天眼 再生 硬化 吸収 奮戦 自動HP回復 超再生 成長 闇の祝福


 マジックアイテム能力 ステイタス閲覧 能力閲覧 火炎創造 致命傷の盾 MP小増加 特定転移


 行使可能魔法

 初級 火炎魔法(ファイヤーボール、火種生成など)

 中級 火炎魔法(フレイムボール、フレイムサークル、フレイムランス)

 中級 大地魔法(アースアロー、アースランス、アースソード、アースウォール、アースバインド)

 初級 土生成魔法クリエイト・ゴーレム

 中級 回復魔法(傷の治療、毒の治療)


 所持魔眼:ハイリーディングアイ

 効果、視認した物質の名称、事柄を読み取る、魔法の本質を見抜き、解読、理解

 動きを読み取り

 思考を読み取り


 上位能力:理解者

 理解した物体、魔物の特徴やスキルをコピーすることができる(一つの物体からは一つだけ、魔物のスキルも同様で一つだけ) 


 獲得能力 瞬脚(一定の時間、移動速度を上げる)

 威光(相手にあったMPを消費することで、相手の移動を阻害する)》


 といった感じになっていた、新しい耐性も獲得出来たことだし今回の階層は着実に強くなっている感覚がある。

 新しい能力も、二種類増えたことだし新しい戦術が増えそうだ。

 あっでも、最近は魔法を使って拘束して、攻撃するって流れが主流になっている気がする。

 まぁ~確かに安全だし確実だ………だが、魔法の効かない能力スキルをもっている、ハースグロード相手には無駄な戦法だろう………レムのように、剣術を使えた方がいいのでは無いだろうか………。


「なぁ~この階層の魔物も倒し尽くしたことだし、そろそろ次の階層に下りないか?」


 正直この階層でやれることはもうやった、あと残っていると言ったらこの階層の全てを見ていないことぐらいだが、別に見る物もないし速くおりたい。


「それより、主様! 私の力を認めていただけましたか?」


「あ~もちろんだ、魔法が使えないって言っても魔法戦闘が基本なオレたちがいるしなお前は前に出て暴れてくれればいい」


 レムのこの質問も何度も聞いたはずなんだがな………その度にちゃんと答えているのだが何故かレムは何回も聞く。

 まぁ~それも、家での環境が影響していたと思われる。

 レムの家での待遇はレム自身から聞いた、姉からは嘲笑され、親からはいないものと扱われたと聞く………唯一の支えであった友も召喚され1人でいたと聞いた。

 そんな時に姉達より先に召喚され、戻されないためオレに力を見せて、認めてもらおうと必死にだったわけだ。


 本来ならば召喚されて、3日は憑依が安定しないため動かないことが当たり前だったらしい。


「そうですか………主様の前だと劣等感が凄いのです。

 半分が人間だと言うのに、純血の魔族である私より強く、才能溢れる。

 魔法だって、私が知っているものより強力です。

 近接戦闘においては、短剣な扱いでしたら私以上です

 また、能力スキルもそうです、相手を見ただけでスキルをコピーできるって…チートです。」


「分かる! 私も一緒に行動していてずっと思ってた! なんか強くなろうとしてるのをバカにされている気分だよ!!」


 改めて自分の状態を聞くと凄いな自分、この魔眼のおかげで色々と優遇されていると思う、他の奴らはレベルを上げてステイタスを上げて地道に強くなり、自分の種族の能力スキルを用いて強くならなければいけない。


 だがオレはそんな種族の能力でさえ簡単にコピーしてしまう、他の奴らからしたら自分達の生きる力を奪われていると言っても過言ではない。


「お前だって凄いじゃないか! 武器に関してはお前より使えている奴をオレは見たことがない、誇っていいと思うぞ

 フローラだって、最初は幻惑魔法しか使えなかったのに、今は雷魔法を使えるようになったじゃないか! オレみたいなコピーした能力よりずっと凄いよ」


 最近、オレはしみじみそう思う、コピーした能力では限界を感じてきた。

 応用力をつけようと思い土人形ゴーレムを作ってみたがMPの消費が尋常ではなかった。

 魔法として使えば消費するMPはかなり少なくて済むのだが、魔法として使わない場合消費されるMPは通常の何倍にもなってしまう。


「ま………まぁ~私達は凄いからな! なっ! レム」


「私、フローラ殿が戦っているところ見たことがありません」


 オレの言葉に照れたのかフローラはレムを使って照れ隠しをしようてしていたがレムがフローラを見て真顔で言った。


「ふっ……確かに、ずっと後ろに居たもんな」


「そ……それは、次の階層から頑張るから! ここの魔物は怖ぇーんだよ!」


 ついに認めた上に開き直りやがった! まぁ~ずっと分かってたし。


「じゃー次の階層に行くか」


 オレたちは次の階層に繋がる階段のもとへ移動を開始する。

 階段の場所はレムと戦っているときに見付けてあるしそこまで遠くない、歩いて一時間程の距離だ。


「じゃーおりるぞ」


「はい! 主様! あれ、あれはなんです?」


 階段を降りようとしていた直後に階段の近くで何かを見付ける。

 おかしいな………前に来たときにはあんなのなかったはずだ。

 でも、階段の近くだし、前みたいに宝箱みたいなのかもしれない。

 いや、宝箱型の魔物だったりする可能性もあるか………。

 まぁ~いいや、魔眼を使えば分かることか。


 オレはレムの指差す物へと向けて魔眼を使い情報を読み取る。


 《物体名 : 宝箱

 説明、ランダムでダンジョンに出現する謎の物体。

 高確率で貴重な物が入っていることがある

 また、宝箱型の魔物も存在するため冒険者は開けることを躊躇うことも多い


 獲得可能能力、なし》


 うむ、大丈夫だな


「レムあれは宝箱だ、ダンジョンには希に出現するらしいぞ

 珍しいものが入っているし開けよう

 このマジックバックだって宝箱から手に入れたんだ」


「それは、すごいですね」


 あっそういえば、前に開けた時に出てきた時に見つけたデモンリッパーはミラに最後に飛ばされた時にどっかいったんだよな。

 あぁ~あれがあれば今頃、無双できただろう……魔力を込めると切れ味が上がるというチート性能が今は必要だ。

 MPなら余るほどある、この階層でレベルが上がったこともあり10000もいった。

 フローラと比べてもかなり多い方だし、最近は魔力切れが余りない。


「早速、開けても宜しいですか、主様?」


「宝箱かぁ~何が入ってんのかなぁ~」


 レムは膝をつき、宝箱に手をかけている。

 フローラは速く中が見たくてウズウズしてる顔してやがる、そんな期待してる顔してるけど、期待どおりの物が出るかな?

 オレの時は、武器がメインだったし、どうせ今回も似たような感じだろう。


「おぉ~これは」


 レムは宝箱を覗きこむ感じになり、オレの位置からだと宝箱の中が見えない。

 フローラの反応からして大したものは入っていなかったんだろう。


「主様! これを私にください」


 レムは宝箱から布状の何かを取りだし見せてくる、見たところ腰に巻くものだろうけど何に使うんだ?


「なにそれ?」


「これは、腰に剣を装備する際に使われるものです

 これが欲しかったんですよ!

 私が使っても宜しいですか!?」


「あぁ~いいぞ」


 レムは大興奮といった感じで宝箱から取り出した布を腰に巻き剣を左右に二本さした。

 右に白銀の剣、左に漆黒の両手剣、魔法的な効果があるのか腰からさげるには些か大きい剣が地面につくこともなく装備出来ている。


「これは凄いです! 重さを感じません」


 ほぉ~そんな効果まであったのか、凄いなオレには全く必要ないけど。

 ん? なんかフローラが古びた本を持ち上げガン見してる。


「フローラ、なにそれ?」


「お、おい! わからねぇーのか! 魔導書グリモアだよ、魔導書グリモア!

 これがあれば新しい種類の魔法が覚えられる

 いいよな?」


 なにやらフローラも良いものを見付けてみたいだな………なんだよ、その物をねだる子供みたいな顔して、別に構わんよ! オレが欲しいのは新しい魔法なんじゃないんだし。

 魔法なんてあってもハースグロードには意味ないし。


「別にいいよ、魔法には興味ないし

 それより、オレには何かないかなぁ~」


 オレにも何かないかと思い宝箱を見る、中にあったのは見たことも無いような形をした木の実がポツンと3つだけ入っていた。


 なんだ、これ? あれたちと共に入っていたのだから凄いものなんだろうけど全く食う気にならない。


 とりあえず、魔眼で見てみるか。


 《物体名 : 神の果実

 効果、どんな魔法、能力、病気、呪いだろうと1度だけ消し去ることが出来る


 説明 神の国で育てられたと言われる果実

 魔族が食せば浄化され天使になると言われている

 また、効果を使うのならば食すのではなく果汁を振りかけること》



 あれ………おもったよりヤバい奴だ、これ。

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