現世に散る一片の物殻

菊千代

ResQ

画面に写る既読の文字。

その度に待ち遠しくなる。


でも、返事は中々、来ない。


「仕方がないよね」

「仕事が忙しいんだよね」


そう、自分に言い聞かせる。

そして日常の中に溶け込んでゆく。


突然に鳴る通知の音。

その度に期待が膨らむ。


でも、貴方じゃなかった。


「そりゃ、そうよね」

「まだ、そんな時間じゃない」


初めから分かっていた事。

それでも、つい期待をしてしまう。


別に特別な事を言って欲しい訳じゃないの。

ただただ返事が欲しい。


何気ない言葉でいいの。

少しだけ貴方の時間が欲しい。


そして貴方の言葉に私は救われる。


画面に写る貴方の返事。

その度に私の心は躍る。


でも、貴方の方はどうなの!?


「単なる、お友達!?」

「それとも都合のいい女!?」


つい訊いてしまいたくなる。

でも、私は無理に強がってしまう。


繰り返される貴方との会話。

その度に想いは募る。


「貴方が好き」

「貴方の傍に行きたい」


そう思っても言えやしない。

だって今の関係を壊したくない。


別に特別な事を言って欲しい訳じゃないの。

ただただ返事が欲しい。


何気ない言葉でいいの。

少しだけ貴方の時間が欲しい。


そして貴方の言葉に私は救われる。


本当は特別な言葉が欲しいのかもしれない。

でも、今はまだいいの。


何気ない言葉でいいの。

少しだけ貴方の時間が欲しい。


そして貴方の言葉に私は救われる。


でも、いつかは貴方の傍に行きたい。

許してくれる?

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