第29話 病室にて

引き分けた虎太郎は、首と手足にギプス、体は包帯にくるまれた姿で病室にいた。


『・・・・・・負けた!!』


と本人は叫びたかったが、首が痛み「うっ!!」としか喋れなかった。

巨大ロボ同士がガチンコでぶつかり合った結果である。


自分の隣では

「お嬢さん、今夜あなたにタッチダウンしてもいいかい♪」

とナースを口説くも無視されて尿瓶で下の世話をされる金髪のゴリマッチョ男子。


・・・・・・虎太郎の対戦相手のジャックが寝ていた。

ジャックの方が回復力も早いのか、包帯の割合は圧倒的に少なかった。


虎太郎は、いつかリベンジしてやると心に誓った。


「よう♪お前さんあの力士だろ?」

ジャックが虎太郎を見て声をかける。


「・・・・・・無理して喋らなくていいぜ、ナイスファイト♪」

さわやかな笑顔でサムズアップするジャック。


アメリカのアクション俳優的な格好良さだ。


「お前さんのガッツとファイトは気に入った、また勝負しよう。」


ジャックの言葉に、虎太郎が頑張って頷く。


「俺達は期待の操作に関する実技試験は、補習確定だな。

まあ、俺の方が先にここを出るだろうが補習キャンプで待ってるぜ。」


虎太郎、手を動かして答える。


こうして、虎太郎はジャックと妙な縁が結ばれた。




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