第13話 虎とお嬢様の休日 破

虎太郎とグレンダが出て行った食堂では、一連の出来事を

ダイダラ小隊の仲間たちが見ていた。


「・・・・・・グレンダ、恋は力技では実らないわ。」

紅茶を飲んでいたアンが頭に手を沿えてやれやれと言う。


「確かに、あれだとお母さんに連れられてる子供だよね?」

ハンバーガーを食べていたエドが向かいでソーキソバを食っていたラナ

に問いかける。


「人それぞれだとは思うけどね~?」

ラナはどこ吹く風だ。


「・・・・・・解せん、何故虎太郎がモテる?」

パインサラダを食べていたヘルマンも疑問顔だ。


答えは唯一つグレンダが虎太郎に情が沸いたからである。


教官であり艦長のフランシスカは、食堂のテレビで10人ほどの女性達と

ユニットを組んでフリルの付いた揃いの衣装を着て歌い踊っていた。


「教官は、オモイビトアイドルまだ続けていたんだね。」

ラナがテレビの向うで活き活きと歌っているフランシスカを見て和む。

派手な光の波などは実際にオモイビトたちが出しているエネルギーである。


オモイビトはオモイカネにより、常人を超える身体能力を手に入れたり運動能力

を出せるなど各人が特殊な能力を持っている。


グレンダと虎太郎は、学園を出てアーケードへとやってきていた。

地元の人間や戦人学園の生徒で賑わう商店街である。

「だれるの~?」

連れ回されている虎太郎はあくび交じりである。

「しゃんとなさいな!!」

グレンダが嗜める。


言い返そうとした虎太郎に

「方言での口答えは禁止よ♪」

グレンダが可愛らしく人差し指を虎太郎の口に当てる。


「なんばしょっと!!」

グレンダの動作にドギマギして後ずさる虎太郎。

虎太郎は女子との付き合い方など知らなかった。


今は失われた故郷では、中学校まで相撲部暮らしだった。

部活の後でたまにゲーセンや駄菓子屋に寄り道とか女子とは縁のない

人生だった虎太郎に春と言う道が訪れていた。







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